SHARP(シャープ)はNTTドコモの2022年春夏モデルとして、
- AQUOS R7
- AQUOS wish2
の2機種を発表しました。
「AQUOS R7」は性能が高く、その分価格も高くなったハイスペックなフラッグシップモデルです。
この記事では「AQUOS R7」を実際に2週間使って、カメラの性能や使用感などを徹底レビューしています。
ドコモ公式サイトで詳細をチェック
AQUOS R7 の発売日と本体価格
ドコモ版 AQUOS R7 の発売日と本体価格
ドコモ版「AQUOS R7」の発売日は2022年7月15日で、本体価格は税込みで198,000円。
※本体価格は発売日に発表されたものです
ドコモでは24回払いにして「いつでもカエドキプログラム」に加入する事で最安で114,840円になりますが、「いつでもカエドキプログラム」は特典の利用時に購入した本体を2年後にドコモに返却する必要があるので注意して下さい。
ソフトバンク版 AQUOS R7 の発売日と本体価格
ソフトバンク版「AQUOS R7」の発売日は2022年7月8日で、本体価格は税込みで189,360円。
※本体価格は発売日に発表されたものです
ソフトバンクでは48回払いにして「トクするサポート+」を利用すれば最安で94,680円にする事ができますが、「トクするサポート+」は特典の利用時に購入した本体をソフトバンクに返却する必要があるので注意して下さい。
AQUOS R7 のカラーバリエーション
「AQUOS R7」のカラーバリエーションは、
- ブラック
- シルバー
の2色です。
ブラック
シルバー
AQUOS R7 の外観とデザイン
「AQUOS R7」にはサラサラした質感の高耐久ガラス「Glass Victus」が採用されていて、背面には上部に、
- モバイルライト
- 測距用センサー
- アウトカメラ
があって、本体の真ん中部分に「おサイフケータイ」があります。
ディスプレイ面には画面上部に「受話口/スピーカー」があり、その下に左から、
- インカメラ
- 近接/明るさセンサー
が並んでいます。
右側面には上から、
- 音量キー
- 電源キー
があり、
左側面には何もありません。
本体上部には左から、
- マイク
- SIMカードトレイ
- イヤホンジャック
あり、
本体下部には左から、
- 送話口/マイク
- USB Type-C接続端子
- スピーカー
が並んでいます。
AQUOS R7 のスペック詳細
AQUOS R7 | AQUOS R6 | |
CPU | Snapdragon 8 Gen1 | Snapdragon 888 |
外側カメラ | 約4,720万画素 | 約2,020万画素 |
内側カメラ | 約1,260万画素 | 約1,260万画素 |
ディスプレイ | 約6.6インチ WUXGA+ 240Hz 有機ELディスプレイ |
約6.6インチ WUXGA+ 240Hz 有機ELディスプレイ |
RAM | 12GB | 12GB |
ROM | 256GB | 128GB |
SDカード | microSDXC(最大1TB) | microSDXC(最大1TB) |
電池容量 | 5,000mAh | 5,000mAh |
高さ×幅×厚さ | 約161x77x9.3(mm) | 約162x74x9.5(mm) |
重さ | 約208g | 約207g |
「AQUOS R7」にはクアルコムの最新CPU「Snapdragon 8 Gen1」が搭載され、RAMは12GB。
アウトカメラは、1インチの超大型センサーを採用した約4,720万画素の標準カメラひとつとなっていて、前作「AQUOS R6」にはTOFセンサーがありましたが、今作では約190万画素の深度測位カメラに置き換わっています。
ディスプレイには約6.6インチの有機ELディスプレイ(Pro IGZO OLED)が採用されていて、120回の表示更新に黒画面を挿入することによって擬似的な240Hzに対応しています。
電池容量は5,000mAh。
ROMは256GBのモデルが用意されていて、本体サイズは前作「AQUOS R6」よりも横幅が大きくなりましたが、本体重量はほぼ同じになっています。
AQUOS R7 のベンチマークスコア
これは、実際に計測した「AQUOS R7」のベンチマークスコアですが、
- antutu 9.4.4:723,017
- Geekbench 5.4.4:シングル 1,221 / マルチ 3,533
になりました。
同じCPUを搭載した「Galaxy S22 Ultra」と比べるとGeekbenchのほうはそこまで変わりませんが、antutuは20%近く低いスコアになっています。
「Xperia 1 IV」と同様に発熱を抑えるためにメーカー側で性能を抑えている可能性が高いですね。
このスコアでもゲームを含む全ての動作はサクサク操作できますが、「処理能力はなるべく高いほうが良い」って人は注意して下さい。
AQUOS R7 の電池もち(バッテリー持ち)
「AQUOS R7」には5,000mAhのバッテリーが搭載されていますが、電池持ちはすごく良いです。
試しに充電して100%の状態からリフレッシュレート120Hzで
- You Tube
- ゲーム
- ネット検索
- 音楽
を2時間ずつ使ってみましたが、24時間経過して電池残量は41%になっていました。
※You Tubeだけバックグラウンドの処理を切る事ができずバグった数字になっていますが、きっちり2時間で終了しています
この電池持ちは、電池持ちの良いスタンダードモデルスマホとほぼ同等で、他社のハイエンドスマホと比べれば明らかに頭一つ抜けた性能になっています。
AQUOS R7 の便利機能
AQUOS R7 の便利機能 | |
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕:✕ |
ハイレゾ | 〇 |
ワイヤレス充電 | 〇 |
イヤホンジャック | 〇 |
防水:防塵 | IP68 |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 顔認証センサー 指紋認証センサー |
「AQUOS R7」の機能面では、
- テザリング
- おサイフケータイ
- ワイヤレス充電
- ハイレゾ
- イヤホンジャック
- 防水:防塵
には対応していますが、
- ワンセグ:フルセグ
には対応していません。
iPhoneやGalaxyが対応しないイヤホンジャックがあるだけでなく、
- 画面内指紋認証
- 顔認証
と、ライバルの「Xperia 1 IV」よりも利便性が向上している点は素晴らしいと思います。
AQUOS R7 のカメラレビュー
AQUOS R7 のカメラスペック詳細 | ||
カメラ画素数 | 標準カメラ:約4,720万画素 内側カメラ:約1,260万画素 |
|
センサーサイズ / F値 | 標準カメラ:1/1インチ / 1.9 内側カメラ:1/3.0インチ / 2.3 |
|
ISO感度(最大) | 静止画:ISO3,200 動画:ISO3,200 |
|
オートフォーカス | 静止画:○ 動画:○ |
|
ズーム(最大) | 静止画:デジタル6倍 動画:デジタル6倍 |
|
手ブレ補正 | 外側カメラ | 静止画:電子式 動画:電子式 |
内側カメラ | 静止画:電子式 動画:電子式 |
「AQUOS R7」のアウトカメラは、
- 標準
- 深度測位
という構成になっていて、深度測位カメラは被写体との距離を測定するために使われるので、実質はシングルカメラという事になります。
撮影モードには、
- ビデオ
- 写真
- ポートレート
- マニュアル写真
- ナイト
- ハイレゾ
- 8Kビデオ
- タイムラプス
- スロービデオ
- マニュアルビデオ
- vHDRビデオ
の11種類が用意されています。
※クリックで拡大できます
実際に撮影してみましたが、昼間の撮影は高画質に撮れるものの、全体的に見た目よりも少し白っぽい雰囲気の写真になるのが気になりました。
あいにくの曇り空っていうのもあるかもしれませんが、他機種に比べると若干「AQUOS R7」の調整は鮮やかさに欠ける印象があります。
実際に「Xperia 1 IV」と比べてみるとこんな感じ。
※クリックで拡大できます
好みになりますが、より実際の見た目に近いのは「Xperia 1 IV」の写真になります。
物撮りは1インチセンサーの威力を存分に発揮した超高画質な写真が撮れますが、大型センサーの特徴から被写界深度が浅くポートレートモード(背景ボケ)にしていなくても背景ボケ写真になるので注意。
※クリックで拡大できます
欲を言えば、背景ボケは専用の撮影モードがあるので、「Galaxy S22 Ultra」のように通常撮影ではなるべくパンフォーカス(全体にピントが合った状態)の写真になるような調整だと使いやすいのかなと感じました。
画質は明らかに「AQUOS R7」のほうが良く撮れていますけどね。
※クリックで拡大できます
ズームは6倍までのデジタルズームに対応していて、2倍までであれば劣化を感じさせない高画質な写真が撮れました。
ただ、それ以降になると画質は明らかに粗くなっていくので、高画質で保存したいなら2倍までがおすすめ。
ズームを多用したいなら望遠レンズを搭載した機種を選びましょう。
※クリックで拡大できます
夜の撮影は若干ザラつきは出てくるものの、白飛びや滲みなどはしっかりと抑えられていてかなり高画質な写真が撮れました。
ただ、ライトの処理が微妙で光が周りに膨張して見えてしまうのが残念なポイントです。
試しに、ドコモのハイエンドスマホ3機種で撮り比べてみるとこんな感じ。
※クリックで拡大できます
「Xperia 1 IV」よりも電光掲示板の処理が鮮明で高画質に撮れているものの、ライトの処理が残念で、どちらも上手く処理できている「Galaxy S22 Ultra」には及ばないって感じです。
かなり高画質に撮影できますが、ライトの多い場所で撮影したい人は注意ですね。
※クリックで拡大できます
料理の写真はかなり美味しそうに撮る事ができました。
上の写真と右の写真は日当たりの良い席、左は奥まったちょっと薄暗い席で撮影しましたが、どちらも美味しそうに撮れていますよね。
海外スマホにありがちなAIによる加工感もほとんどないので使いやすいと思います。
※クリックで拡大できます
ポートレートは、日当たりが良い場所では白飛びもせずかなり高画質な写真が撮れましたが、お店の奥の方の席になってしまうとライトの加減なのか被写体が薄暗くなるような写真になることがありました。
10段階の美肌補正もかけることができ、基本的には高画質な写真が撮れるので、ポートレートを撮る場合はなるべく日当たりの良い場所での撮影がおすすめです。
AQUOS R7 の良いところ(メリット)
240Hzの滑らかなディスプレイ
「AQUOS R7」に採用されているPro IGZO OLEDはリフレッシュレート120Hzでありながら、あいだに黒画面を挿入することによって擬似的な240Hzで超滑らかな画面を楽しむ事ができます。
ドコモのハイエンドスマホの中でこの240Hzディスプレイに対応しているのは「AQUOS R7」のみなので、最強の画面の滑らかさを体感したい人におすすめです。
リフレッシュレートとは
「リフレッシュレート」とは、1秒間にどれくらい画面が更新されるかを表す数値です。
「AQUOS R7」のリフレッシュレートは240Hzなので、1秒間に240回画面が更新されるという事。1秒間に更新される回数が多ければ多いほど滑らかな画面になります。
電池持ちが良い
「AQUOS R7」には5,000mAhのバッテリーが搭載されていますが、電池持ちはすごく良いです。
試しに充電して100%の状態からリフレッシュレート120Hzで
- You Tube
- ゲーム
- ネット検索
- 音楽
を2時間ずつ使ってみましたが、24時間経過して電池残量は41%になっていました。
この電池持ちはドコモのハイスペックスマホの中では間違いなく最強。
「スペックも良くて電池持ちの良いスマホがほしい」って人におすすめです。
1インチの超大型センサーカメラ
※クリックで拡大できます
「AQUOS R7」のアウトカメラには1インチの超大型センサーが採用されています。
ハイエンドと言えば望遠レンズや超広角レンズを搭載したトリプルカメラが主流となっているなか、標準カメラひとつのみというは大きな特徴。
ソフトウェアの調整はあまい部分があるものの、場面によってはカメラ最強の「Galaxy S22 Ultra」よりも高画質な写真が撮れるのは素晴らしいです。
AQUOSならでは便利機能が豊富
「AQUOS R7」にはAQUOSシリーズならではの、
- アウトドアビュー
明るい日差しの下でも画面を見やすくする - Payトリガー
指紋センサーを押し続けると登録しておいたアプリが起動できる - スクロールオート
自動で画面をスクロールできる - Clip Now
画面をなぞるだけでスクリーンショットが撮れる - テザリングオート
設定した場所にいくと自動でテザリングがオンにできる
などの便利機能がたくさん用意されています。
他機種にはないAQUOSだけの便利機能なので、これまでAQUOSシリーズを使っていた人はもちろん、初めてAQUOSを使う人でも使いやすいと思います。
AQUOS R7 の悪いところ(デメリット)
スピーカー性能が低め
「AQUOS R7」のスピーカーは、ディスプレイの上下にスピーカーがついたステレオ仕様ですが、音質は低めです。
低めと言ってもスタンダードやミドルほど音質が低いわけではなく、あくまで他社のハイスペックスマホと比べてという意味ですが、「Galaxy S22 Ultra」や「iPhone 13 Pro」と比べると音に深みがなく、スピーカー最強端末「Xperia 1 IV」と比べてしまうとかなり劣ります。
また、他社スマホでは立体的な音を楽しめるDolby Atmos(ドルビーアトモス)のような機能がスピーカーでも楽しめるのに対して、「AQUOS R7」はイヤホンを使用しないと使えないのも残念なポイントでした。
本体価格が高すぎる
「AQUOS R7」のドコモ版の本体価格は税込みで198,000円です。
円安の影響もあるとは思いますが、それでもGalaxyのような小型モデルも用意されていない中、スマホ1台で20万円はいくらなんでも高すぎます。
購入する場合は「いつでもカエドキプログラム」などの割引を使って、少しでも実質負担額を下げたいところですね・・・。
望遠レンズがない
※クリックで拡大できます
「AQUOS R7」のアウトカメラは標準カメラひとつとなっていて、他機種のような望遠カメラは搭載されていません。
広角はカメラ設定で対応できますが、望遠は最大で6倍までのデジタルズームのみなので、光学3倍ズームや光学10倍ズームに対応した機種と比べてしまうとズーム性能だけでなく画質も大きく劣ります。
シングルカメラだということは購入前にわかることなのでデメリットに感じていない人が多いと思いますが、ズームを使ってカメラ撮影をしたい人は注意です。
発熱で一部機能が制限される
「AQUOS R7」は同じCPUを搭載した「Galaxy S22 Ultra」と比べても発熱しやすく、またそれによって、
- 処理能力が落とされる
- カメラが強制終了する
など、一部機能が制限されます。
処理能力が落とされるといってもantutuベンチマークで20%程度で「Xperia 1 IV」と同程度。
カメラも真夏の炎天下でなければ強制終了までされることはほとんどないと思いますが、気にする人は注意して下さい。
AQUOS R7 の評価と感想まとめ
人気 ★★☆☆☆
処理能力 ★★★★☆
写真性能 ★★★★☆
動画性能 ★★★★☆
電池持ち ★★★★☆
画面の綺麗さ ★★★★☆
スピーカー ★★★☆☆
ココがおすすめ
- 電池持ちが良い
- 1インチの超大型センサー
- 240Hzの滑らかなディスプレイ
- AQUOSならでは便利機能が豊富
ココがいまいち
- 望遠レンズがない
- 本体価格が高すぎる
- スピーカー性能が低め
- 発熱で一部機能が制限される