Googleは2020年8月20日に「Pixel 3a」の後継機となる最新スマートフォン「Pixel 4a」を発売しました。
Googleの直販サイト「Google Store」での販売価格は42,900円(税込)。
「Pixel 4a」はスペックと価格を抑えたミドルレンジモデルとなっていて、シングルカメラではあるものの、上位モデルの「Pixel 4」相当の広角カメラを搭載しているのが最大の特徴です。
この記事では、「Pixel 4a」を実際に購入してカメラの性能や使用感などを徹底レビューしています。
Pixel 4a のカラーバリエーション
「Pixel 4a」のカラーバリエーションは Just Black(ジャストブラック)のみ。
「Pixel 4」にあったホワイトやオレンジは今回は販売されないので注意して下さい。
Pixel 4a のスペック詳細
Pixel 4a | Pixel 4 | |
CPU | Snapdragon 730G | Snapdragon 855 |
外側カメラ | 約1,220万画素 | 約1,220万画素 約1,600万画素 |
内側カメラ | 約800万画素 | 約800万画素 |
ディスプレイ | 約5.8インチ(2,340×1,080) FHD+ 有機ELディスプレイ |
約5.7インチ(2,280×1,080) FHD+ 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 6GB / 128GB | 6GB / 64GB・128GB |
SDカード | 非対応 | 非対応 |
対応周波数帯 (対応Band) |
LTE:1/2/3/4/5/7/8/12 13/17/18/19/20/25/26 28/38/39/40/41/42/66 |
- |
電池容量 | 3,140mAh | 2,800mAh |
高さ×幅×厚さ | 約144x69.4x8.2(mm) | 約147.1x68.8x8.2 |
重量 | 約143g | 約162g |
「Pixel 4a」にはクアルコムのCPU「Snapdragon 730G」が搭載され、RAMは6GB。
ディスプレイには約5.8インチのFHD+ 有機ELディスプレイが採用され、電池には3,140mAhのバッテリーが搭載されています。
アウトカメラはシングルカメラですが、上位モデル「Pixel 4」と同等の広角カメラ が搭載され、
- 夜景モード
- ポートレートモード
などの撮影モードも使えます。
国内向けモデルのSIMカードは、Nano SIMと本体に内蔵された「eSIM」のデュアル構成で、Nano SIMについてはドコモはもちろんauなど、全ての国内キャリアに対応しています。
「Pixel 4」と比べると画面は大きくなっているのに本体サイズは少しコンパクトになっており、重量も約143gとかなり軽い設計になっていますね。
Pixel 4a の便利機能
Pixel 4a の便利機能 | |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕:✕ |
ワイヤレス充電 | ✕ |
イヤホンジャック | 〇 |
Bluetooth | 〇 |
防水:防塵 | ✕ |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー |
つづいて便利機能です。
特徴は、ワイヤレス充電がない事と、防水防塵に対応していない事。記載がないだけで防滴程度はあると思いますが、水の中に入れちゃったりしたらアウトですね。
個人的にお風呂で動画を観たりするので、この防水なしにはガッカリ。これがないだけで選択肢から外れるという人も多いと思うので検討している人は注意して下さい。
ワンセグフルセグはありませんが、最近復活しつつあるイヤホンジャックはしっかりと搭載されました。
Pixel 4a の特徴と使用レビュー
Pixel 4a のデザインとボタン配置
「Pixel 4a」の背面にはポリカーボネート製の軽い素材が採用されていて、背面には左上に、
- アウトカメラ
- フラッシュ/ライト
があって、丸いくぼみが指紋センサー、見えないですがそのすぐ下におサイフケータイに使用する「FeliCaセンサー」があります。
ディスプレイ面には画面上部に左から、
- インカメラ
- 受話口/スピーカー
- 近接センサー
があり、
右側面には左から、
- 音量キー
- 電源キー
が並び、
左側面には「SIMカードトレイ」のみ。
本体上部には左から「セカンドマイク」と「イヤホンジャック」。
本体下部には左から、
- マイク
- USB Type-C接続端子
- スピーカー
が並んでいます。
背面の素材はザラザラした質感で指紋はまったく付かないです。価格も4万円ちょっととお手軽なので、カバーなしでそのまま使用してもいいかもしれないですね。
本体が軽くて持ちやすい
「Pixel 4a」は5.8インチの大画面にもかかわらず本体重量は143gに抑えられているので、軽くてすごく持ちやすいです。
通常、大画面のスマホは重い事が多いですが、ここまで軽量化されていると片手でもラクラク操作できて快適ですね。
女性でも十分片手で操作できると思います。
指紋認証の精度が良くて使いやすい
次に、背面に配置された指紋センサーですが、かなり精度が良くて使いやすかったです。
背面にあるので好みが分かれると思いますが、サイドにあると左利きの人が不便に感じるし、ディスプレイ内にある指紋センサーは精度が微妙だったりするので、個人的には背面が使いやすいですね。
認証スピードは普通で速いというわけではありませんが、これまで認証に失敗した事は1度もありませんでした。
普段の操作でも発熱する
「Pixel 4a」には「Snapdragon 730G」というCPUが搭載されていますが、発熱しやすいのか「Pixel 4a」の仕様なのかわかりませんが、音楽を聴いていたりネット検索など、普段の操作でも発熱するのが気になりました。
ゲームをプレイしていたり動画を撮っている時の発熱はどの機種でもありますが、普段の操作でも発熱するのはミドルスペックでは珍しいですね。
温度は温かい程度なので気にならない人が多いと思いますが、「温かい程度の発熱も嫌だ!」って人は注意して下さい。
動作はサクサク快適に操作できる
「Pixel 4a」は価格とスペックを抑えた廉価モデルですが、搭載しているCPUはミドルスペックの中でも性能が良いモデルなので、動作はサクサクで快適に操作できました。
ツイッターやネット検索など、普段の操作ではストレスを感じる事はほとんどないですね。
重いゲームアプリの起動速度やグラフィックなんかは「iPhone SE」と比べると劣る部分もありますが、この性能なら「ミドルスペックは動作が心配」って人も安心して使用できると思います。
電池もちは微妙
続いて電池もちについてです。
「Pixel 4a」には3,140mAhのバッテリーが搭載されていますが、電池持ちは使う人によって評価が分かれる微妙なラインだと感じました。
例えば、YouTubeで動画を2時間52分、ネット検索を2時間8分、ゲームを1時間4分、音楽を1時間5分聴くとフル充電から29時間後に電池残量は8%になっていました。
平日の朝に家を出て帰ってくるまでにこんなにスマホを使う人もいないと思うので、普通に使っていれば1日もたないという事はまずありませんが、休日に出先でスマホをガンガン使う人なんかは不満に思う人もいそう。
電池持ちの悪さでは定評のある「iPhone SE」よりは間違いなくもちますが、「電池持ちが良い」って部類のスマホではないので注意して下さい。
※電池持ちの印象には個人差があります
スピーカー性能はかなり良い
「Pixel 4a」には、本体の上下に配置されたステレオスピーカーが搭載されていますが、スピーカーは音量も大きく、音質もかなり良いと感じました。
スピーカー音量は通話の音量にも影響しますが、この音量であれば「通話音は大きくないとダメ」って人でも快適に使用できると思います。
Pixel 4a のカメラ性能レビュー
次に「Pixel 4a」のカメラのレビューです。
「Pixel 4a」のアウトカメラには約1,220万画素のアウトカメラが搭載されていて、撮影モードは、
- 夜景モード
- ポートレート
- カメラ
- 動画
- パノラマ
- 360°写真
- スロモ録画
- タイムラプス
- Googleレンズ
の9種類。
カメラの撮影スピードは速くて快適です。後ろで画像処理をしているので5連続くらいでシャッターを切るともたついてきますが、基本的にそこまで連打する人は少ないと思うので問題なし。ただし、ピクセルシリーズに連写機能はないので、連写で撮影したい人はキツイかもしれません。
昼間のカメラ性能
まずは昼間の写真を撮影してみましたが、かなり高画質な写真が撮れました。
シーン判別の機能はありませんが、AI処理によって見た目よりも鮮やかに撮影できるのが特徴ですね。
※クリックで拡大できます
ポートレートモードも人物だけでなく「物」にも対応しているので撮影していて楽しかったです。
続いてズーム撮影。
※クリックで拡大できます
「Pixel 4a」は、7倍までのデジタルズームに対応しています。
デジタルズームは拡大すればするほど画質が粗くなるので、綺麗に残す事を考えると2倍ズーム程度に抑えておくのがおすすめ。最大の7倍ズームになると画質はかなり粗くなります。
夜のカメラ性能
続いて夜の撮影です。
「Pixel 4a」には上位モデル「Pixel 4」と同じナイトモードが搭載されていて、ミドルスペックとは思えない高画質な写真が撮れました。
上の写真は実際にナイトモードで撮影した駅の写真ですが、綺麗に撮れていますよね。
ライバル機「iPhone SE」と比べても、
※クリックで拡大できます
白飛びをしっかりと抑えて鮮明な写真になっているのが確認できると思います。
こういったハイエンドモデル並みの夜景撮影ができるというのが「Pixel 4a」の大きな魅力のひとつですね。
料理の撮影
次に料理の撮影です。
上の写真は実際に「Pixel 4a」で撮影したパンケーキの写真ですが、美味しそうに撮れていますよね。
シーン判別のAIはありませんが、ご飯の写真は見た目とほぼ同じカラーバランスで全体的に明るく撮影してくれる印象です。
試しに店内が薄暗いお店でも撮影してみましたが、
※クリックで拡大できます
しっかりと明るく美味しそうに撮る事ができました。
鮮やかにしてくれるような機能はありませんが、「見たまま」の写真が撮れるので使いやすいと思います。
ポートレート撮影
「Pixel 4a」のカメラには被写体を強調させて背景をぼかす「ポートレートモード」が搭載されていています。
「物」にも対応しているので手元までぼかしてしまうという事がなくてかなり使いやすいです。
※クリックで拡大できます
ただし、精度は怪しい部分もあり、たまに被写体までぼかしてしまうなんて事がありました。
基本的には綺麗に撮れますが、「ポートレートモード」で高画質な写真を撮りたいって人は深度カメラを搭載したハイエンドモデルのほうが良いと思います。
動画撮影
※動画の解説は1:43~です
「Pixel 4a」の動画は、
- フルHD
- 4K
の2つの動画サイズで撮影ができて、フルHDは30fpsと60fpsから選ぶ事ができます。
実際に撮影してみましたが、昼間の画質はすごく良いもののライバル機の「iPhone SE」と比べると手ブレ補正の効きがいまいちなのが気になりました。
夜の撮影は「Pixel 4a」が明るく鮮明に撮れる分白飛びしやすいっていう特徴があって、「iPhone SE」は「Pixel 4a」よりも全体的に暗い分白飛びには強い印象です。
ただ、「Pixel 4a」のほうが明らかにザラつきが少ないので、画質に関しては「Pixel 4a」のほうが優秀。手ブレ補正は「iPhone SE」のほうが優秀って感じでした。
Pixel 4a のAntutuベンチマークスコア
これは、実際に計測した「Pixel 4a」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 8.4.3:261,672
- Geekbench 5.2.0:シングル 554 / マルチ 1,647
- Geekbench Compute:1,033
となりました。
Androidスマホのミドルスペックとしては優秀ですが、同じ価格帯のライバル機「iPhone SE」よりも大幅にスコアが低い点に注意です。
ゲームはほとんどのタイトルで問題なくプレイできると思いますが、高グラフィックのゲームだとカクつく事があるかもしれません。
Pixel 4a の発売日と本体価格
SIMフリー版 Pixel 4a の発売日と本体価格
SIMフリー版「Pixel 4a」の発売日は2020年8月20日で、本体価格は42,900円(税込)。
SIMフリーモデルはGoogleの直販サイト「Google Store」で購入できますが、分割で購入する場合はクレジットカードで購入後に支払い回数を指定する仕組みなので、本体代金のほかに分割手数料がかかる点に注意して下さい。
※本体価格は発売日時点の価格を掲載しています
ソフトバンク版 Pixel 4a の発売日と本体価格
ソフトバンク版「Pixel 4a」の発売日は2020年8月20日で、本体価格は49,680円(税込)。
48回払いにした場合の毎月の請求額は1,035円で、「トクするサポート+」に加入する事で最大で半額の負担額となる24,840円(税込)になります。ただし、「トクするサポート+」は利用時に購入した本体をソフトバンクに返却する必要があるので注意して下さい。
※本体価格は発売日時点の価格を掲載しています
Pixel 4a の評価と感想まとめ
ココがおすすめ
- カメラ性能が高い
- 本体が軽くて持ちやすい
- 指紋認証の精度がすごく良い
- スピーカー性能がかなり良い
ココがいまいち
- 防水機能がない
- 電池持ちは普通
- 普段の操作でも発熱する
- 動画の手ブレ補正がいまいち