ソニーは2020年9月17日に最新スマートフォンとなる、
- Xperia 5 II
エクスペリア ファイブ マークツー
を発表しました。
販売開始は10月17日で、日本ではドコモとau、ソフトバンクが2020-2021年冬春モデルとして取り扱いを発表しています。
この記事では、「Xperia 5 II」を実際に購入してカメラの性能や使用感などを徹底レビューしています。
Xperia 5 II のカラーバリエーション
「Xperia 5 II」のカラーバリエーションは、
- ブラック
- グレー
- ブルー
- ピンク
の4色です。
ブラック
グレー
ブルー
ピンク
Xperia 5 II のスペック詳細
Xperia 5 II | |
CPU | Snapdragon 865 5G |
外側カメラ | 約1,220万画素×3 |
内側カメラ | 約800万画素 |
ディスプレイ | 約6.1インチ(2,520×1,080) FHD+ 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 8GB / 128GB |
SDカード | microSDXC(最大1TB) |
電池容量 | 4,000mAh |
高さ×幅×厚さ | 約158x68x8.0(mm) |
重量 | 約163g |
「Xperia 5 II」のCPUにはクアルコムの「Snapdragon 865 5G」が採用され、RAMは8GB。
外側カメラは、
- 標準カメラ
- 超広角カメラ
- 望遠カメラ
のダブルカメラで、ズームは各カメラで3倍までのデジタルズームに対応します。
ディスプレイは約6.1インチの有機ELディスプレイで、「Xperia 1 II」と同様に21:9の縦長デザインを採用。電池容量は4,000mAhです。
本体サイズと重量は前作「Xperia 5」とほとんど同じですが、電池容量が1,000mAhも増量されている事を考えるとかなり進化した印象ですね。
Xperia 5 II の便利機能
Xperia 5 II の便利機能 | |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕:✕ |
ワイヤレス充電 | ✕ |
イヤホンジャック | 〇 |
Bluetooth | Bluetooth5.0 |
防塵:防水 | IP68 |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー |
つづいて便利機能です。
前作「Xperia 5」で廃止されていたイヤホンジャックが復活していて、逆に「Xperia 5」にはあった「ワンセグ/フルセグ」がなくなりました。
ワイヤレス充電は前作に引き続き非搭載ですね。
10万円を超えるスマホなので生体認証は「顔認証」も搭載してほしいところですが、今作も電源ボタンと一体となった指紋認証のみになっています。
Xperia 5 II のカメラ性能レビュー
「Xperia 5 II」のアウトカメラには、
- 標準カメラ
- 超広角カメラ
- 望遠カメラ
の3つのカメラが搭載されていて、ユーザーはボタンひとつで簡単に撮影するレンズを切り替える事ができます。普段は標準カメラで撮影をして、さらに全体的な写真が撮りたい場合に超広角カメラに切り替える感じですね。
撮影モードは、
- フォト
- ビデオ
- 背景ボケ
- Photo Pro
- Googleレンズ
- スローモーション
- ポートレートセルフィー
- クリエイティブエフェクト
- パノラマ
の9種類。
撮影スピードは1~2秒程度で若干遅めです。「遅い」と感じるほどではありませんが、iPhoneやGalaxyの速さに慣れている人はストレスを感じるかもしれません。
昼間のカメラ性能
これは「Xperia 5 II」のカメラで撮影した写真ですが、昼間の撮影ではかなり高画質な写真が撮れました。
シーン判別のAIがありますが見たままの写真が撮れるというXperiaシリーズのカメラの特徴はそのままで使いやすいです。
超広角撮影も撮影してみましたが、
※クリックで拡大できます
不自然な歪みもなく、綺麗に撮影する事ができました。
同じ立ち位置で撮影してもレンズによって違う景色になるのは楽しいですね。超広角レンズはあるとやっぱり便利です。
次に望遠カメラです。
※クリックで拡大できます
「Xperia 5 II」のアウトカメラでは、標準、超広角、望遠のそれぞれのカメラで3倍までのデジタルズームに対応しています。
標準カメラの3倍ズームが望遠カメラの1倍とほぼ同じになっているため、望遠カメラで3倍ズームすれば最大で9倍までズームできるという事ですね。
実際に撮影してみましたが、デジタルズームは拡大すればするほど画質が粗くなってしまうので、綺麗に残したいならズームは使わないのがおすすめ。他機種ではズーム倍率を上げるだけで適切なレンズに自動で切り替えてくれる事を考えると、「Xperia 5 II」のズームの設計はわかりづらくて不便に感じました。
夜のカメラ性能
続いて夜のカメラ性能です。
「Xperia 5 II」には1.4μmの大きなイメージセンサーとF値1.6の明るいレンズが搭載されていて、夜の撮影でも綺麗に撮れるように設計されています。
上は実際に「Xperia 5 II」のカメラで撮影した駅前の様子ですが、白飛びやザラつきも抑えられていて高画質な写真が撮れました。
同じハイエンドモデルのスマホと比べてみましたが、
※クリックで拡大できます
「iPhone 12 Pro」よりは高画質に撮れるものの、「Galaxy Note20 Ultra」には及ばないって感じです。
「Xperia 5 II」は他の2機種に比べて安い価格設定になっている事を考えれば、十分なカメラ性能だと思います。
料理のカメラ性能
次に料理の写真です。
上の写真は実際に「Xperia 5 II」で撮影したピザの写真ですが、美味しそうに撮れていますよね。
料理の写真も昼間の撮影と同じく、自然なカラーバランスで「見たまま」の印象に少しだけ明るさをプラスしたような仕上がり になるので、かなり使いやすい印象を受けました。
料理の写真も「Galaxy Note20 Ultra」「iPhone 12 Pro」と比べてみましたが、
※クリックで拡大できます
こちらは3機種の中では1番暗い印象の写真になってしまいました。
「Xperia 5 II」は見たままの写真に仕上がっているのに対して、「Galaxy Note20 Ultra」は鮮やかに、「iPhone 12 Pro」は全体的に明るくする事でより美味しそうに撮る事ができます。
この辺りは好みもあると思いますが、個人的には「iPhone 12 Pro」が一番新鮮で美味しそうに撮影できていると感じました。
ポートレートのカメラ性能
「Xperia 5 II」のカメラには被写体を強調させて背景をぼかす撮影モードが用意されていてます。
ソニーの独自技術「瞳オートフォーカス」で一瞬でピントが合うので、特にポートレート撮影に最適ですね。
ただし、撮影する際に「被写体から離れて下さい」っていうエラーメッセージが頻繁に表示されて、他のハイエンドモデルに比べるとかなり撮影しづらい ので注意。
しかもこのエラーメッセージは適切な距離をとっていても表示される事があって、無視して撮影してみるとしっかり撮れていたりと、ソフトウェアの不安定さが気になりました。
また、かなり明るい調整になっていて、店内で普通に撮影しているのに頻繁に白飛びするのも使いづらいですね。
他のハイエンド機と比べてもポートレート撮影はダントツで劣っている印象です。
※クリックで拡大できます
Xperia 5 II の特徴と使用レビュー
Xperia 5 II のデザインとボタン配置
「Xperia 5 II」には、鏡面&メタルフレームが採用されていて、背面には左上に、
- 超広角カメラ
- 広角カメラ
- 望遠カメラ
が並んでいて、その上に「フラッシュ/フォトライト」と「RGBC-IR センサー」があり、カメラの横に「おサイフケータイ」があります。
ディスプレイ面には、上のほうに左上から、
- インカメラ
- 受話口/スピーカー
- 近接/照度センサー
- 通知LED
があって、画面下に「スピーカー」があります。
右側面には左から、
- カメラキー
- Googleアシストキー
- 指紋センサー/電源ボタン
- 音量キー
がならんでいて、
左側面には「SIMカードトレイ」があります。
本体上部には「イヤホンジャック」と「セカンドマイク」。
本体下部には左から、
- 送話口/マイク
- USB Type-C接続端子
があります。
デザインは高級感がありお洒落ですが、かなり指紋が付きやすいのでケースを付けたほうが良いと思います。
縦長デザインは好みが分かれる
「Xperia 5 II」では、前作「Xperia 5」と同様に21:9の縦長デザインが採用されていますが、他メーカーのスマホと比べると縦に長い印象が強くデザインは好みが別れると感じました。
21:9に対応している動画を観れば映画と同じアスペクト比になるので没入感があって楽しいですが、未対応のアプリが多く、画面の上下に黒い部分ができて縦長デザインが活かしきれないんですよね。
You Tubeも16:9で作られた動画がほとんどなので横画面で観るとかなり小さくなって不格好です。画面をディスプレイに合わせる事もできますが、16:9の映像を無理やり21:9にするので画面の上下が見切れてしまってなんかモヤモヤします。
「Xperia 1 II」からコンパクト化されていて片手でも操作できて使いやすいですが、本体サイズに不安がある人は1度手にとって確認してみたほうが良いと思います。
指紋認証は優秀だけど顔認証もほしい
「Xperia 5 II」には本体の右側に電源ボタンと一体化した指紋センサーが配置されていますが、ロック解除に失敗する事はほとんどなく、精度はかなり優秀だと感じました。
ただし、現在発売されているandroidスマホのハイエンドモデルでは「顔認証」と「指紋認証」の2つの生体認証が搭載されている機種が多いので、やっぱり指紋認証だけだと不便な印象を受けました。
これまではGoogleが提供しているSmart Lockを使用すれば顔認証を使用する事ができましたが、現在では廃止されているので、ぜひ次回作以降で改善してもらいたいポイントのひとつです。
発熱はほとんど感じない
次に発熱についてです。
高性能なCPUを搭載したスマホだと発熱が心配になりますが、「Xperia 5 II」の発熱は普段の操作はもちろんゲームのプレイ中でも本体が温かくなる程度に抑えられていています。
さすがに4K動画や8動画を撮影すれば40°近くまで熱くなりますが、3Dゲームを長時間プレイしても本体が熱くならないので発熱を気にする人に最適です。
サイドセンスは使いやすく進化
「Xperia 5 II」には画面端をダブルタップする事でマルチウィンドウを開く事ができる「サイドセンス」という機能が用意されていますが、「Xperia 1 II」の画面端をタップする操作方法から画面端の「バー」をタップする方法になって操作しやすく進化していました。
「バー」の部分も長さや透明度を設定でき、サイドのタップが合わない人はホーム画面に追加する事もできてカスタマイズしやすいのも良いですね。
「Xperia 5 II」は横幅が狭く片手で操作しやすいので「サイドセンス」を使う機会はほとんどないんですが、私のように「サイドセンス使いづらいな」と感じていた人は試してみて下さい。
ゲームに特化した2つの機能
「Xperia 5 II」では120Hzのディスプレイに加え「ゲームエンハンサー」で設定することで黒画を挿入させた擬似的な240Hzに対応しています。
さらに、最大240Hzの高速タッチ検出が可能なので「音ゲー」などのタッチ操作を頻繁に行うゲームでも快適に操作する事が可能。
また、「HSパワーコントロール」をオンにすればバッテリーを介さずに給電する事ができるので、バッテリーの消耗や劣化を気にせずに操作する事ができます。
電池もちはあまり良くない
続いて電池もちについてです。
「Xperia 5 II」には4,000mAhのバッテリーが搭載されていますが、電池持ちはあまり良くないです。
例えば、
- YouTubeで動画を2時間29分
- ネット検索を2時間20分
- ゲームを2時間10分
- 音楽を1時間32分
聴くと、フル充電から28時間後に電池残量は9%になっていました。
平日でも頻繁にスマホを操作する人はこのくらい使う人もいると思うので、ヘビーユーザーは「電池持ちは悪い」と感じると思います。
ただし、これはリフレッシュレート120Hzに上げる「低残像設定」をオンにした場合で、60Hzに落とせば、
- YouTubeで動画を2時間14分
- ネット検索を2時間5分
- ゲームを2時間26分
- 音楽を1時間35分
聴いても、フル充電から47時間経過しても電池残量は11%残っていました。
こちらはかなり快適に使用できるので、どちらのリフレッシュレートで使うかによって意見が分かれそうです。
※電池持ちの印象には個人差があります
スピーカーは良いけど Xperia 1 II ほどではない
「Xperia 5 II」には、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応したステレオスピーカーが搭載されていますが、スピーカーは音量も大きく、音質もそれなりに良かったです。
ただ、「Xperia 1 II」と比べると明らかに音質が劣ってしまっているのが残念でした。
「Xperia 1 II」は厚みのある音なんですが、「Xperia 5 II」は軽いというかシャカシャカ感が強くてなんだか安っぽい音に聞こえるんですよね。
スピーカーの音質にこだわりがない人にとってはまったく問題ない程度の違いですが、「Xperia 1 II」と同等の音質を期待している人は注意して下さい。
Xperia 5 II のAntutuベンチマークスコア
これは、実際に計測した「Xperia 5 II」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 8.4.3:546,928
- Geekbench 5.2.0:シングル 914 / マルチ 3,405
- Geekbench Compute:3,136
になりました。
同時期に発売されたandroidスマホとしては「Galaxy Note20 Ultra」に次ぐ2番めのスコアですね。
処理能力は現在発売されているスマホの中でもトップレベルなので、どんなゲームでもサクサク快適にプレイできると思います。
Xperia 5 II の発売日と本体価格
au版 Xperia 5 II SOG02 の発売日と本体価格
au版「Xperia 5 II SOG02」の発売日は2020年10月17日で、本体価格は109,425円(税込)。
24回払いにした場合の毎月の請求額は2,775円で、「かえトクプログラム」を利用する場合は実質63,825円にする事ができます。ただし、「かえトクプログラム」は特典の利用時に購入した本体をauに返却する必要があるので注意して下さい。
ソフトバンク版 Xperia 5 II の発売日と本体価格
ソフトバンク版「Xperia 5 II」の発売日は2020年10月17日で、本体価格は115,200円(税込)。
48回払いにした場合の毎月の請求額は2,400円で、「トクするサポート+」を利用する場合は実質57,600円にする事ができます。ただし、「トクするサポート+」は特典の利用時に購入した本体をソフトバンクに返却する必要があるので注意して下さい。
Xperia 5 II の評価と感想まとめ
人気 ★★★★★
処理能力 ★★★★★
写真性能 ★★★★☆
動画性能 ★★★★☆
電池持ち ★★★☆☆
画面の綺麗さ ★★★☆☆
価格の安さ ★★☆☆☆
ココがおすすめ
- 排熱性能が優秀
- カメラ性能が優秀
- 片手で操作しやすい
- 特化した機能があってゲームに最適
- サイドセンスが使いやすく進化した
ココがいまいち
- 顔認証がないのは不便
- 背景ボケ写真で白飛びしすぎ
- 縦長デザインは好みが分かれる
- カメラのソフトウェアが不安定