韓国メーカーのSamsung Electronics(サムスン電子)は1月15日に2021年のフラッグシップモデルとなる、
- Galaxy S21 5G
- Galaxy S21+ 5G
- Galaxy S21 Ultra
の3機種を発表しました。
この記事では、1番価格の安い「Galaxy S21」を実際に使って感じた良かったところと悪かったところをまとめています。
Galaxy S21 のカラーバリエーション
「Galaxy S21」のカラーバリエーションは、
- ファントムバイオレット
- ファントムグレー
- ファントムホワイト
の3色です。
コスミックグレー
ファントムグレー
ファントムホワイト
Galaxy S21 のスペック詳細
Galaxy S21 | Galaxy S20 | |
CPU | Snapdragon 888 | Snapdragon 865 5G |
外側カメラ | 約6,400万画素 約1,200万画素×2 |
約6,400万画素 約1,200万画素×2 |
内側カメラ | 約1,000万画素 | 約1,000万画素 |
ディスプレイ | 約6.2インチ(2,400×1,080) FHD+ 有機ELディスプレイ |
約6.2インチ(3,200×1,440) QHD+ 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 8GB / 256GB | 12GB / 128GB |
SDカード | 非対応 | microSDXC(最大1TB) |
電池容量 | 4,000mAh | 4,000mAh |
高さ×幅×厚さ | 約152x71.2x7.9(mm) | 約152x69x7.9(mm) |
重量 | 約171g | 約163g |
「Galaxy S21」にはクアルコムの最新CPU「Snapdragon 888」が搭載され、RAMは8GB。
外側カメラは、
- 広角カメラ
- 超広角カメラ
- 望遠カメラ
の3つで、構成や画素数はS20と同じです。
ディスプレイにはFHD+の有機ELディスプレイが採用されていて、120Hzのリフレッシュレートにも対応していますが、「Galaxy S20」よりも解像度は下がっています。
電池容量は4,000mAh。
SIMカードはNano SIMで、今回からSDカードは非対応になっています。
Galaxy S21 の便利機能
Galaxy S21 の便利機能 | |
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕ |
ハイレゾ | 〇 |
ワイヤレス充電 | 〇 |
イヤホンジャック | ✕ |
防水:防塵 | IP68 |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 顔認証センサー 指紋認証センサー |
次に機能面。
ワイヤレス充電、防水防塵、「おサイフケータイ」はついていて、生体認証はこれまで通り、顔と指紋の両方が使えます。
あいかわらずイヤホンジャックはなくて、「ワンセグ/フルセグ」もありません。
Galaxy S21シリーズ3機種の違い
Galaxy S21 | Galaxy S21+ | Galaxy S21 Ultra | |
CPU | Snapdragon 888 | Snapdragon 888 | Snapdragon 888 |
外側カメラ | 約6,400万画素 約1,200万画素×2 |
約6,400万画素 約1,200万画素×2 |
約10,800万画素 約1,200万画素 約1,000万画素×2 |
内側カメラ | 約1,000万画素 | 約1,000万画素 | 約4,000万画素 |
ディスプレイ | 約6.2インチ(2,400×1,080) FHD+ 有機ELディスプレイ |
約6.7インチ(2,400×1,080) FHD+ 有機ELディスプレイ |
約6.8インチ(3,200×1,440) QHD+ 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 8GB / 256GB | 8GB / 256GB | 12GB / 256GB |
SDカード | 非対応 | 非対応 | 非対応 |
電池容量 | 4,000mAh | 4,800mAh | 5,000mAh |
高さ×幅×厚さ | 約152x71.2x7.9(mm) | 約162x76x7.8(mm) | 約165x76x8.9(mm) |
重量 | 約171g | 約200g | 約228g |
次に、Galaxy S21シリーズ3機種の違いを解説します。
スペック的には「Galaxy S21」と「Galaxy S21+」がほぼ同スペックで、違いは画面の大きさと電池容量になっているので、単純に「大きさの好み」で選んで問題ありません。
「Galaxy S21 Ultra」と違う点は、まずはディスプレイで、「Galaxy S21」と「Galaxy S21+」の画面の解像度はフルHDで固定ですが、「Galaxy S21 Ultra」では最高でWQHDまで上げることができます。また、画面を最大120Hzにする「最適化モード」は、「Galaxy S21」は10~120で変動しますが、「Galaxy S21+」と「Galaxy S21 Ultra」は48~120で変動っていう違いがあります。
まあ、ここの違いは操作していてもまったくわかりませんけどね・・・。
次にRAMの容量で、「Galaxy S21」と「Galaxy S21+」は8GBですが、「Galaxy S21 Ultra」は12GBあります。
RAMっていうのは、一時的にデータを記憶しておく倉庫みたいな役割があって、これによってアプリを何個も操作できたり、ちょっと前に操作していたアプリを終了直前の状態から再開できたりします。
次に、1番気にする人が多いであろうカメラ構成について。
「Galaxy S21」と「Galaxy S21+」は広角、超広角、望遠っていう定番の3構成ですが、「Galaxy S21 Ultra」にはレーザーオートフォーカスセンサーと、望遠カメラがもう1つついています。
「Galaxy S21 Ultra」はこのカメラ構成によって、レーザーオートフォーカスがある事によってできる近距離のマクロ撮影から、中距離は光学3倍、長距離は100倍までの超解像度ズームって感じのスキのないカメラ構成になっているのが特徴。
「Galaxy S21」と「Galaxy S21+」はマクロ撮影できないし、光学3倍はハイブリットズームなので、カメラにこだわりのある人は「Galaxy S21 Ultra」のほうがおすすめです。
あとは、見た目でわかる通り大きさが違がって、それにともなって電池容量も大きくなっていきます。
「Galaxy S21」は約171gで片手で操作も問題なくできますが、「Galaxy S21 Ultra」は大きくて重いので、片手はムリ。カメラもかなりゴツくなっているので、見た目のデザインとか操作性なんかも考慮した上で選んで下さい。
Galaxy S21 のベンチマークスコアと発熱
これは、実際に計測した「Galaxy S21」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 8.5.6:663,631
- Geekbench 5.3.2:シングル 1,110 / マルチ 3,542
- Geekbench Compute:4,646
になりました。
これまで最高性能だったiPhone 12シリーズを抜いて、現在発売されているスマホの中では最高の処理能力という事になります。
発熱はベンチマークが終わった時点で40度弱で、熱いってよりは温かいなって感じ。
ゲームを長時間プレイした場合でも同じなので、熱ってとこまでは上がりませんが、カメラ撮影やゲームをする場合には温かい程度までは温度が上がります。
Galaxy S21 の良かったところ
ディスプレイがフラットになった
GalaxyのSシリーズといえば、画面の左右がカーブしている曲面ディスプレイが採用されていましたが、「Galaxy S21」ではフラットな画面になりました。
見た目的には曲面のほうがスマートだし、ベゼルっていう黒い部分が少なくできるのでカッコイイですが、使用面では圧倒的にフラットのほうが使いやすいです。
曲面ディスプレイは端のほうまで画面だから、端のほうの文字は歪むし、片手で操作した時に頻繁に誤操作が起きてイライラする事があったんですよね。
「Galaxy S21」で少しベゼルが太くなった事で誤操作が減って、かなり快適に使えるようになりました。
まあ、これは見た目のスマートさをとるか、実用性をとるかって話なので好みは分かれると思いますが、誤操作起こるし、文字歪むしで、なんの為にまがってんだ!って思ってたから個人的にはこの変更は嬉しいです。
持ちやすい
「Galaxy S21」の本体重量は171gに抑えられていて、薄くて持ちやすいです。
軽いってほどでもないんだけど、この大きさなら片手でも操作できるし、女性でも問題なく使えると思います。
片手で操作できるハイエンドのスマホはかなり少なくなってきているので貴重ですね。
スピーカー性能が良い
「Galaxy S21」には、Dolby Atmos(ドルビーアトモス)に対応したステレオスピーカーが、本体の上下に搭載されていますが、スピーカーは音量も大きく、音質もかなり良いです。
Dolby Atmosは「音質とエフェクト」って項目からオンオフが切り替えられて、広がりのある包み込まれるような音質になるのが特徴。イコライザーを使えば好みの音質にできたり、年齢よって周波数を調整する事で聞き取りやすい音にできたりと、かなり細かい調整も可能です。
カメラの性能が良い
「Galaxy S21」のアウトカメラには、
- 広角
- 超広角
- 望遠
の3つのカメラが付いていて、撮影モードには、
- シングルテイク
- 写真
- 動画
- その他
の4種類があります。
初期設定では「食事モード」や「ナイトモード」、「ポートレートモード」などはその他のところにあるので、カメラアプリを開いた画面によく使う撮影モードを登録しておくと便利です。
※クリックで拡大できます
実際に撮影してみましたが、高画質な写真がとれました。
iPhoneとかと比べると若干青とか緑が鮮やかになるっていう特徴はそのまま。
超広角カメラも歪みはほとんどないので使いやすいです。
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望遠はワンタッチでハイブリット3倍、それ以降は4、10、20、30ってワンタッチで切り替えられて、手動で微調整する事もできます。
S20よりもズームした時の手ブレ補正がかなり効くようになっていて、30倍でも意外と被写体を見失う事なく撮影できました。望遠に力を入れているだけあって、ここは進化してるなあって実感できます。
画質は10倍までは加工感はでるものの綺麗に撮れます。ただ、最高の30倍までいくとかなり画質は荒くなりますね。
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夜の撮影は、かなり綺麗で撮っていて楽しいです。
「iPhone 12」と比べても「Galaxy S21」のほうが白飛びが少なくて高画質な写真が撮れているのがわかりますよね。キャリアが取り扱っているスマホの中では、夜の撮影はGalaxyが頭ひとつ抜けてる印象があります。
※クリックで拡大できます
料理の写真は、専用の「食事モード」っていうのがあって明るく鮮やかに撮影できます。
「iPhone 12」と比べるとこんな感じ。
※クリックで拡大できます
「iPhone 12」は見たまんまの写真が撮れるのに対して、「Galaxy S21」はより鮮やかにしてくれているのがわかりますよね。
ただ、これはたまにやり過ぎな場面もあるので、気になる人は「AI」をオフにして撮影すると加工感のない普通な写真が撮れます。
※クリックで拡大できます
けっこう違いますね。
続いて、動画。
「Galaxy S21」では、
- HD
- フルHD
- 4K
- 8K
の動画サイズが選べます。
ただし、スーパー手ブレ補正はフルHDで固定、8Kは24fpsで固定されます。S20では60fpsの動画は超広角では撮れませんでしたが、ここは撮れるように進化していました。
画質も昼間の撮影は超綺麗で、手ブレ補正もしっかりと効いています。
ズームは、ワンタッチで3倍のハイブリット光学ズームになって、それ以降は12倍まですることができますが、3倍以降はドンドン画質が荒くなっていくので、綺麗に撮りたいなら3倍までがおすすめ。
夜の撮影はあいかわらず苦手なようで、画質はそれなりに綺麗ですが、ピクピク画面が歪んでまともに撮れませんでした。
Galaxy S21 のいまいちだったところ
指紋認証の精度が良くない
「Galaxy S21」の生体認証には指紋と顔が用意されていますが、指紋の方は前作同様に超音波式のものが採用されています。
超音波式の指紋センサーは買ったばっかりの時はサクサク認証するんだけど、時間が経つにつれてドンドン精度が怪しくなってくるんですよね。
認証失敗の頻度的には2日に1回くらい。
マスクしている場合が多いから指紋認証がないiPhoneよりは使いやすいですが、利便性だけを追求したら、圧倒的に物理指紋センサーのほうが使いやすいです。
SDカード非対応
これは正直意味がわかりません。
もしかしたら「Galaxyクラウド」っていうサムスンのクラウドサービスに誘導したいのかもしれませんが、普通はグーグルフォトを使うし、そもそもiPhoneと差別化できる便利な機能だったのに、なんでなくしてしまうのか・・・。
イヤホンジャックもSDカードもiPhoneにはないアンドロイドの便利な機能だから、復活する事を心から願っています。
電池持ちが悪い
正確には、この性能だと「電池持ちが悪い」と感じる人が多いだろうなっていう印象です。
例えば、
- ゲームを2時間20分
- 音楽を1時間53分
- ネット検索を2時間12分
- ユーチューブで動画を2時間5分
観ると、フル充電から26時間後に電池残量は17%になっていました。
ちなみにこれは、リフレッシュレートを「最適化」っていう最大120Hzになるほうのモードで計測した結果です。
まあ、ゲームと動画を含んで6時間しっかり使っても24時間以上持っているので、処理能力が高い最新CPUを積んでこの電池持ちなら妥当かなって感じですが、電池もちが良いって部類のスマホではないので注意して下さい。
俺だったっらS20を買う
最後は超個人的な意見なんですが、もしこういう仕事をしていなかったら俺だったら今この機種は買いません。
この「今」っていうのが大事なんですが、なんで今は買いじゃないかっていうと、もっと性能の良い「Galaxy S20」がahamoで6万円で買えてしまうから。
性能がいいっていうと語弊がありますが、現状だと「Galaxy S20」より「Galaxy S21」が優れている点ってCPUくらいなんですよね。
で、機能面はっていうと、「Galaxy S20」ではSDカードが使えるし、画面も「Galaxy S20」のほうが綺麗、電池持ちは120Hzにするなら多少「Galaxy S21」のほうが持ちますが、60Hzにすれば「Galaxy S21」の1.5倍くらい持つようになります。
RAMの容量も「Galaxy S20」ほうが4GBも多いですしね。
これが「S20」がもう在庫がないっていうなら、また話は変わってきますが、現状「Galaxy S20」が6万円で買えるのに「Galaxy S21」を10万円で買うのはコスパが悪すぎます。
コスパとか関係なく、ハイエンドの新しい機種がほしいんだよ!って人は「Galaxy S21 Ultra」を買ったほうが幸せになれます。
Galaxy S21 の発売日と本体価格
ドコモ版 Galaxy S21 5G SC-51B の発売日と本体価格
ドコモ版「Galaxy S21」の発売日は2021年4月22日で、本体価格は99,792円(税込)。
36回払いにした場合の毎月の請求額は2,772円で、「スマホおかえしプログラム」に加入する事で最大で3分の2の負担額となる66,528円(税込)になります。ただし、「スマホおかえしプログラム」は特典の利用時に購入した「Galaxy S21」の本体をドコモに返却する必要があるので注意。
また、乗り換え(MNP)の場合は「5G WELCOME割」が自動適用されるので、22,000円が本体代金から割引されます。
※本体価格は発売日に発表されたものです
au版 Galaxy S21 5G SCG09 の発売日と本体価格
au版「Galaxy S21」の発売日は2021年4月22日で、本体価格は118,540円(税込)。
24回払いにした場合の毎月の請求額は3,440円で、「かえトクプログラム」を利用する場合は実質66,700円にする事ができます。ただし、「かえトクプログラム」は特典の利用時に購入した「Galaxy S21」をauに返却する必要があるので注意して下さい。
※本体価格は発売日に発表されたものです
Galaxy S21 の評価と感想まとめ
人気 ★★★☆☆
処理能力 ★★★★★
写真性能 ★★★★☆
動画性能 ★★★★☆
電池持ち ★★★☆☆
画面の綺麗さ ★★★☆☆
価格の安さ ★★☆☆☆
ココがおすすめ
- 片手で操作しやすい
- カメラの性能が良い
- スピーカー性能が良い
- ディスプレイがフラットになった
ココがいまいち
- コスパが悪い
- 電池持ちが良くない
- 指紋認証の精度が良くない
- SDカードとイヤホンジャックがない