アップルは2020年4月16日に「iPhone SE」の後継機となるiPhone SE(第2世代)を発表しました。
発売日は2020年4月24日。
ただし、ドコモ、au、ソフトバンクの3社では、コロナの影響から他人との接触を8割削減させるという日本政府の基本方針を踏まえて発売日を2020年5月11日に延期しました。
この記事では、新型iPhone SEを 実際に購入してカメラの性能や使用感などを徹底レビュー しています。
iPhone SE のカラーバリエーション
「iPhone SE」のカラーバリエーションは、
- ホワイト
- ブラック
- (PRODUCT)RED
の3色です。
ホワイト
ブラック
(PRODUCT)RED
iPhone SE のスペック詳細
iPhone SE | iPhone 11 | |
CPU | apple A13 Bionic | apple A13 Bionic |
外側カメラ | 約1,200万画素 | 約1,200万画素×2 |
内側カメラ | 約700万画素 | 約1,200万画素 |
ディスプレイ | 約4.7インチ(1,334 x 750) Retina HDディスプレイ |
約6.1インチ(1,792 x 828) Liquid Retina HDディスプレイ |
RAM | 3GB | 4GB |
ROM | 64GB / 128GB / 256GB | 64GB / 128GB / 256GB |
SDカード | 非対応 | 非対応 |
電池容量 | 1,821mAh | 3,110mAh |
高さ×幅×厚さ | 約138.4x67.3x7.3(mm) | 約150.9x75.7x8.3(mm) |
重量 | 約148g | 約194g |
「iPhone SE」にはアップルの最新CPU「A13 Bionic」が搭載され、RAMは3GB。
外側カメラには約1,200万画素の広角カメラが搭載されていて、インカメラは約700万画素の標準カメラになっています。
画面は約4.7インチの「iPhone 8」と同じ大きさのRetina HDディスプレイを採用、電池容量は1,821mAhですね。
ミドルスペックモデルなのにCPUがハイエンドの「iPhone 11」と同じというは凄いですが、その他の機能は全体的にスペックが落とされていて、特に電池容量が「iPhone 11」の6割弱に減らされているのが最大のデメリットになります。
iPhone SE の便利機能
iPhone SE の便利機能 | |
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕:✕ |
赤外線通信 | ✕ |
ハイレゾ | ✕ |
ワイヤレス充電 | 〇 |
イヤホンジャック | ✕ |
Bluetooth | 〇 |
防水:防塵 | IP67 |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー |
つづいて便利機能ですが、これまでのiPhoneシリーズと同じように「ワンセグ:フルセグ」と「イヤホンジャック」には非対応になっていますが、「ワイヤレス充電」には対応しています。
「iPhone 11」からの変更点は、防水/防塵性能がIP68から IP67に落とされている事と、顔認証がなくなり指紋認証になっているところですね。
防水/防塵性能の微妙な違いを体感できる人はほとんどいないので気にする必要はありませんが、指紋認証が復活した事によって喜んでいる人はたくさんいるんじゃないでしょうか。
◆IP68と IP67の防水性能の違い
- IP68:水面下での使用が可能
- IP67:一定の水圧で30分間水中に沒しても水が浸入しない
iPhone SE のカメラ性能レビュー
「iPhone SE」のアウトカメラには約1200万画素:F値1.8の広角カメラが採用されていて、撮影モードは、
- タイムラプス
- スロー
- ビデオ
- 写真
- ポートレート(背景ボケ)
- パノラマ
の6種類。
androidスマホによくあるシーン判別のAIや、撮影環境を手動で変更するマニュアル撮影は、「iPhone SE」には用意されていないので注意して下さい。
昼間のカメラ性能
まずは昼間の撮影ですが、かなり高画質な写真が撮れました。
「iPhone SE」にはシーン判別のAIのような機能はありませんが、「見たまま」のカラーバランスで撮影できるので使いやすいと思います。
「iPhone 11」と撮り比べてみましたが、
※クリックで拡大できます
ほぼ、同じクオリティの写真が撮れました。
若干「iPhone 11」のほうが濃いカラーバランスに調整されているようで、まったく同じとまではいきませんが十分綺麗ですよね。
シーン判別のAIがないので最近のandroidスマホのような「盛った」写真が好きな人には物足りなく感じるかもしれませんが、良くも悪くも「見たまま」に撮れるので、自然なカラーバランスの写真が好きな人におすすめです。
続いてズーム撮影。
※クリックで拡大できます
「iPhone SE」は、5倍までのデジタルズームに対応しています。
デジタルズームは拡大すればするほど画像が粗くなるので綺麗に撮りたいなら2倍ズームまでがおすすめ。最大の5倍までいくと明らかに画質が粗くなるのが確認できます。
最近はミドルスペックでも光学ズームを搭載していたり、10倍程度までできる機種が多いので、ズーム性能はかなり低めな印象です。
夜のカメラ性能
次に夜の撮影ですが、ミドルスペックとしてはかなり高画質な写真が撮れました。
「iPhone SE」にはiPhone 11にある「ナイトモード」がないので、どの程度撮れるのか心配でしたが、十分高画質だと思います。
ちなみに「ナイトモード」が搭載されている「iPhone 11」と比べるとこんな感じ。
※クリックで拡大できます
確かに「iPhone 11」のほうが白飛びをしっかりと抑えて綺麗に撮影できていますが、個人的は「違いはこんなもん?」っていうのが正直な感想。
「ナイトモード」がないと、もっとざらつきや白飛びが目立ってしまうのかと思いましたが、これなら十分実用的な使いかたができそうですね。
料理のカメラ性能
あまりカメラを使用しない人でも、SNS用に料理の写真は撮影するという人は多いですよね。「iPhone SE」のカメラは、お店の雰囲気も含めて良くも悪くも見たままの写真が撮れる印象です。
見た目よりも明るく撮れたり、鮮やかにしてくれたりという機能はないので、androidスマホの「AI」に慣れている人にとっては物足りないかもしれませんが、画質はかなり綺麗だなと感じました。
料理にカメラを向けてパッと撮るだけでこれだけ綺麗に撮れればミドルスペックとしては十分だと思います。
ポートレートのカメラ性能
「iPhone SE」には被写体を強調させて背景をぼかす「ポートレートモード」という撮影モードがあります。
実際に撮影してみましたが、被写体と背景の境目が不自然になってしまったり、後ろにいる人がぼけていなかったりと精度はいまいちでした。
上の写真はカフェで撮影したものですが、後ろにいる女性の顔の部分がぼけていなくてなんだか心霊写真のようですよね・・・。
また、「物」には対応していないため、持っているコップなどもぼかしてしまう事があり、使い勝手は良くありませんでした。
ミドルスペックって事を考えれば十分優秀だと思いますが、シングルカメラの限界って感じですね。
ポートレート写真を綺麗に撮りたいって人には不向きだと思います。
iPhone SE の特徴と使用レビュー
iPhone SE のデザインとボタン配置
「iPhone SE」の素材には、高級感のある局面ガラスとアルミニウム素材が採用されていて、背面上部には、
- 広角カメラ
- リアマイク
- True Toneフラッシュ
が並んでいます。
ディスプレイ面には画面上部に左から、
- インカメラ
- ステレオスピーカー内蔵マイク
が配置され、スピーカーの上に「近接センサー」、画面下部に指紋センサー(Touch ID)が配置されています。
右側面には「サイドボタン」と「SIMカードトレイ」。
左側面には「音量ボタン」と「サウンドオン/オフスイッチ」が並んでいます。
本体上部には何もなし。
本体下部には左から、
- スピーカー
- Lightningコネクタ
- 内蔵マイク
が並んでいます。
背面はツルツルしたガラス素材になっていてデザインは「iPhone 8」とまったく一緒。指紋は付きにくいですが、割れたら大変なのでカバーは付けたほうが良いと思います。
本体は軽くて薄くて持ちやすい
「iPhone SE」は4.7インチのコンパクトサイズになっていて、重さも約148gととても軽いです。
女性でもラクラク操作できる重さなので「スマホは片手で操作したい」って人におすすめ。
個人的には片手で操作できるスマホが好きなので「iPhone SE」のデザインはすごく気に入っています。
上下のベゼルが太くてダサい
「iPhone SE」は「iPhone 8」の本体部品をそのまま流用して作られているスマホなので、画面の上下にあるベゼル(黒い部分)も「iPhone 8」と同じでかなり太くなっています。
「iPhone 11」や他社の最新スマホはベゼル部分をできる限り少なくしたスマートなデザインになっているだけに、比べてしまうとちょっとダサいですね。
「iPhone 8」は2017年に発売されたモデルで、そのデザインをそのまま流用したからこそこの破格の値段が実現しているので仕方がないですが、比べてしまうとかなり太さが目立ちますね。
発熱がけっこうある
「iPhone SE」には上位モデルと同じ「A13 Bionic」というCPUが搭載されていますが、その影響からか発熱はそれなりにあります。
特に熱いと感じるのはゲームをしている時と動画を撮影している時ですね。
SNSやネット検索など、普段の操作でも暖かい程度の温度になる事があるので、特に不満に感じるほどではありませんが、「かっこう発熱はあるな」って印象です。
電池もちは良くない
「iPhone SE」には1,821mAhのバッテリーが搭載されていますが、電池もちは良くない と感じました。
例えば、YouTubeで動画を4時間45分、音楽を2時間31分、カメラを13分使うと朝7時に100%にした充電は21時時点で18%になっていました。
仕事に出かけてYouTubeを約5時間も観る人なんていないと思うので、普通に使っていれば1日もたないというレベルではありませんが、電池もちは最近発売されたスマホの中では最低レベル。
ほとんどの人は「電池もちは良くないな」と感じると思います。
※電池持ちの印象には個人差があります
スピーカー性能はかなり良い
「iPhone SE」には、本体の上下に配置されたステレオスピーカーが搭載されていますが、スピーカーは音量も大きく、音質もかなり良いと感じました。
上位モデルの「iPhone 11」と比べてみましたが、体感ではまったく違いはない ですね。
スピーカー音量は通話の音量にも影響しますが、この音量であれば「通話音は大きくないとダメ」って人でも快適に使用できると思います。
iPhone SE のベンチマークスコア
これは、実際に計測した「iPhone SE」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 8.1.0:456,276
- Geekbench 5.1.1:シングル 1,333 / マルチ 3,063
- Geekbench Compute:6,399
になりました。
「iPhone 11」と比べてしまうと少し低いスコアになっていますが、2020年の夏時点では最高レベルの処理能力になっています。このスコアであれば どんなゲームでも快適にプレイできますね。
iPhone SE の付属品
「iPhone SE」に同梱されている付属品は、
- EarPods(マイク付きイヤホン)
- USB-C - Lightningケーブル
- USB 電源アダプタ
- SIMピン
です。
iPhone SE の発売日と本体価格
「iPhone SE」の発売日は2020年4月24日で、SIMフリー版の本体価格は税込で、
- iPhone SE 64GB:49,280円
- iPhone SE 128GB:54,780円
- iPhone SE 256GB:66,880円
です。
SIMフリー版にはSIMロックがかかっていないというメリットがありますが、2年間後に返却する事が前提であればドコモ、au、ソフトバンクで購入したほうが割引がある分だけお得に購入する事ができます。
ドコモ版 iPhone SE の発売日と本体価格
ドコモ版「iPhone SE」の発売日は2020年5月11日で、本体価格は税込で、
- iPhone SE 64GB:57,024円
- iPhone SE 128GB:62,568円
- iPhone SE 256GB:75,240円
となっていて、「スマホおかえしプログラム」を利用する場合は最大で3分の2の負担額にする事ができます。ただし、「スマホおかえしプログラム」は特典の利用時に購入した本体をドコモに返却する必要があるので注意して下さい。
また、のりかえ(MNP)の場合は全容量で22,000円の割引が適用されるので、のりかえ契約であればSIMフリーモデルよりもお得 に購入する事ができます。
au版 iPhone SE の発売日と本体価格
au版「iPhone SE」の発売日は2020年5月11日で、本体価格は税込で、
- iPhone SE 64GB:55,270円
- iPhone SE 128GB:61,250円
- iPhone SE 256GB:75,215円
となっていて、「かえトクプログラム」を利用する場合は 最大で約半額 の負担額にする事ができます。ただし、「かえトクプログラム」は特典の利用時に購入した本体をauに返却する必要があるので注意して下さい。
ソフトバンク版 iPhone SE の発売日と本体価格
ソフトバンク版「iPhone SE」の発売日は2020年5月11日で、本体価格は税込で、
- iPhone SE 64GB:57,600円
- iPhone SE 128GB:64,080円
- iPhone SE 256GB:78,480円
となっていて、「トクするサポート+」を利用する場合は 最大で約半額 の負担額にする事ができます。ただし、「トクするサポート+」は特典の利用時に購入した本体をソフトバンクに返却する必要があるので注意して下さい。
また、のりかえ(MNP)か新規契約の場合は から申し込む事で全容量で20,000円のキャッシュバックが適用されるので、のりかえ契約か新規契約であればSIMフリーモデルよりもお得 に購入する事ができます。
iPhone SE の評価と感想まとめ
人気 ★★★★★
処理能力 ★★★★★
カメラ性能 ★★★★☆
電池持ち ★★★☆☆
画面の綺麗さ ★★☆☆☆
価格の安さ ★★★★☆
ココがおすすめ
- コスパは最強
- 軽くて薄くて持ちやすい
- ハイエンドと同じ処理能力
- スピーカー性能がかなり良い
ココがいまいち
- 電池もちが悪い
- 発熱がけっこうある
- 上下のベゼルが太くてダサい
- ポートレートモードの精度がいまいち