「Xperia 5 III」は、ソニーのフラッグシップモデル「Xperia 1 III」からサイズがコンパクトになり、スペックを抑えた下位モデルという位置づけになっていて、その分価格もドコモ価格で4万円安く設定されているハイスペックスマホです。
この記事では、「Xperia 5 III」を実際に購入して、カメラの性能や使用感などを徹底レビューしています。
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Xperia 5 III の発売日と本体価格
ドコモ版 Xperia 5 III の発売日と本体価格
ドコモ版「Xperia 5 III」の発売日は2021年11月12日で、本体価格は税込みで113,256円。
※本体価格は発売日に発表されたものです
ドコモでは24回払いにして「いつでもカエドキプログラム」に加入する事で最安で68,376円になりますが、「いつでもカエドキプログラム」は特典の利用時に購入した本体をドコモに返却する必要があるので注意して下さい。
au版 Xperia 5 III の発売日と本体価格
au版「Xperia 5 III」の発売日は2021年11月12日で、本体価格は税込みで121,405円。
※本体価格は発売日に発表されたものです
auでは24回払いにして「スマホトクするプログラム」を利用すれば実質半額で購入する事ができますが、「スマホトクするプログラム」は特典の利用時に購入した本体をauに返却する必要があるので注意して下さい
ソフトバンク版 Xperia 5 III の発売日と本体価格
ソフトバンク版の発売日は2021年11月12日で、本体価格は税込みで137,520円。
※本体価格は発売日に発表されたものです
ソフトバンクでは48回払いにして「トクするサポート+」を利用する場合は実質半額で購入する事ができますが、「トクするサポート+」は特典の利用時に購入した本体をソフトバンクに返却する必要があるので注意して下さい。
Xperia 5 III のカラーバリエーション
「Xperia 5 III」のカラーバリエーションは、
- グリーン
- フロストシルバー
- フロストブラック
- ピンク
の4色。
グリーン
フロストシルバー
フロストブラック
ピンク
Xperia 5 III のスペック詳細
Xperia 5 III のスペック | |
CPU | Snapdragon 888 |
外側カメラ | 約1,220万画素:広角 約1,220万画素:超広角 約1,220万画素:望遠 |
内側カメラ | 約800万画素 |
ディスプレイ | 約6.1インチ FHD+ 120Hz 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 8GB / 128GB |
SDカード | microSDXC(最大1TB) |
電池容量 | 4,500mAh |
高さ×幅×厚さ | 約157x68.5x8.2(mm) |
重さ | 約168g |
「Xperia 5 III」にはクアルコムの「Snapdragon 888」が搭載され、RAMは8GB。
外側カメラは、
- 広角
- 超広角
- 望遠
の3つで、構成は上位モデル「Xperia 1 III」と変わりませんが、「Xperia 1 III」にあったToFセンサーは省かれています。
ディスプレイにはFHD+の有機ELディスプレイが採用されていて、リフレッシュレートは120Hz。
電池容量は4,500mAhで、前作「Xperia 5 II」からは500mAh増量されており、30分で50%充電できる急速充電や、3年間バッテリーの劣化を抑える技術も搭載されています。
ROMは128GBで、最大で1TBまでのSDカードに対応。
本体サイズは「Xperia 5 II」とほぼ一緒ですが、「Xperia 5 III」のほうが縦に1mm小さく、バッテリー容量が増えた分本体重量は5g増量しています。
Xperia 5 III と Xperia 1 III との違い
Xperia 5 III | Xperia 1 III | |
CPU | Snapdragon 888 | Snapdragon 888 |
外側カメラ | 約1,220万画素:広角 約1,220万画素:超広角 約1,220万画素:望遠 |
約1,220万画素:広角 約1,220万画素:超広角 約1,220万画素:望遠 |
内側カメラ | 約800万画素 | 約800万画素 |
ディスプレイ | 約6.1インチ FHD+ 120Hz 有機ELディスプレイ |
約6.5インチ 4K 120Hz 有機ELディスプレイ |
RAM / ROM | 8GB / 128GB | 12GB / 256GB |
SDカード | microSDXC(最大1TB) | microSDXC(最大1TB) |
電池容量 | 4,500mAh | 4,500mAh |
高さ×幅×厚さ | 約157x68.5x8.2(mm) | 約165x71x8.2(mm) |
重さ | 約168g | 約188g |
「Xperia 5 III」は、フラッグシップモデル「Xperia 1 III」からサイズがコンパクトになり、スペックを抑えた下位モデルという位置づけになっており、その分価格もドコモ価格で4万円安く設定されています。
具体的には、アウトカメラは「Xperia 1 III」と同じものが搭載されていますがToFセンサーがないのと、画面解像度が4KからフルHDに落とされ、RAMは12GB→8GB、ROMが256GB→128GBにスペックダウンしているほか、「Xperia 1 III」の進化点となっていたスピーカー音圧の向上も省かれています。
また、「Xperia 1 III」にはあったワイヤレス充電がないのと、細かいところでは本体に使用されているガラス素材も「Xperia 1 III」ではCorningの最新素材「ゴリラガラス Victus」でしたが、「Xperia 5 III」では「ゴリラガラス6」に変更されていて、「Xperia 1 III」で対応していたミリ波も省かれsub6のみの対応になっています。
「Xperia 1 III」の小さいバージョンというよりは全体的にかなりスペックダウンしてるので、よく違いを把握した上で購入しましょう。
Xperia 5 III の便利機能
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | ✕ |
ワイヤレス充電 | ✕ |
イヤホンジャック | 〇 |
Bluetooth | 〇 |
防水:防塵 | IP68 |
耐衝撃 | ✕ |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー |
便利機能では、テザリング、おサイフケータイ、防水・防塵、イヤホンジャックには対応していますが、ワンセグ・フルセグ、ワイヤレス充電には対応していません。
ワイヤレス充電はフラッグシップ「Xperia 1 III」から削られた機能となっていますが、価格が11万円を超えている事を考えると付けてほしかったところ。
また、生体認証は相変わらず指紋認証のみで顔認証は非搭載になっています。
Xperia 5 III のベンチマークスコア
これは、実際に計測した「Xperia 5 III」のベンチマークスコアですが、
- antutu 9.0.12:683,068
- Geekbench 5.4.1:シングル 1,126 / マルチ 3,591
- Geekbench Compute:4,722
になりました。
うーん。搭載されているCPU「Snapdragon 888」は80万くらいスコアになるはずなので、発熱を気にして性能を抑える調整がされている可能性がありますね。
「Snapdragon 888」は発熱で話題になったCPUだけに、仕方のない調整という事になりそうです。
Xperia 5 III の電池もち
「Xperia 5 III」の電池容量は4,500mAhで、電池持ちは普通かやや弱いかなって感じ。
試しに充電して100%の状態から、
- You Tube
- ゲーム
- ネット検索
- 音楽
を2時間ずつ使ってみましたが、24時間経過して電池残量は19%になっていました。
この電池持ちは、現在発売されている大手キャリアのハイエンドスマホとほぼ一緒。
最近この使いかたをすると30%前後残っている機種が多いイメージなので、若干弱い気がしなくもないですが誤差の範囲内だと思います。
Xperia 5 III のカメラレビュー
Xperia 5 III のカメラスペック詳細 | ||
カメラ画素数 | 広角カメラ:約1,220万画素 超広角カメラ:約1,220万画素 望遠カメラ:約1,220万画素 内側カメラ:約800万画素 |
|
センサーサイズ / F値 | 広角カメラ:1/1.7インチ / 1.7 超広角カメラ:1/2.5インチ / 2.2 望遠カメラ:1/2.9インチ / 2.3⇔2.8 内側カメラ:1/4.0インチ / 2.0 |
|
ISO感度(最大) | 静止画:ISO3,200 動画:ISO4,000 |
|
オートフォーカス | 静止画:○ 動画:○ |
|
ズーム(最大) | 静止画:光学4.4倍 / デジタル12.5倍 動画:光学4.4倍 / デジタル12.5倍 |
|
手ブレ補正 | 外側カメラ | 静止画:光学式 動画:光学式 |
内側カメラ | 静止画:光学式 動画:光学式 |
「Xperia 5 III」のアウトカメラは、
- 超広角
- 広角
- 望遠
の3つのカメラがついていて、望遠カメラはペリスコープ構造により1つのレンズで70mmと105mmの2つの焦点距離を切り替えできる「可変式望遠レンズ」になっています。
「Xperia 1 III」と同じくカメラアプリはPhoto Proに統一されていて、シャッタースピードやISO感度などを自由に調整して撮影できますが、レビューは他のスマホと統一してオートモードで行っていきます。
※クリックで拡大できます
で、実際に撮影してみましたが、昼間の撮影はカラーバランスは本当に見たままで加工感のまったくない写真になります。
「iPhone 13」なんかも加工感のない印象でしたが「Xperia 5 III」は本当に見たまんまって感じで、比べてみると「Xperia 5 III」は影の暗いところは暗いまま、空もいっさい脚色されていないのに対して「iPhone 13」は影は若干明るく、空の青さも濃く補正されている事がわかりますよね。
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良く言えば現実を忠実に再現している、悪く言えばAI仕事してねえなって話なんですけど、このあたりは「Xperia 5 III」はあえてそういう調整にしてるはずなので好みだと思います。
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超広角に切り替えても写真の雰囲気は変わらず、歪みも綺麗に補正してくれるので使いやすいですね。
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ズームは光学で2.9倍と4.4倍、それ以降はデジタルで12.5倍までする事ができます。
4.4倍以降は画像を引き伸ばすだけのデジタルなのでズームすればするほど画質はあらくなりますが、2.9倍と4.4倍は画質もすごく綺麗で微調整もできて使いやすかったです。
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夜の撮影は白飛びやザラつきが良く抑えられていて高画質な写真が撮れました。
ただ、他社のハイエンドのような「ナイトモード」的なものはないので、全体的に雰囲気が暗くなりがちなのが気になりますね。
夜なんだから暗くて当たり前だろ
って言われればそうなんですけど、
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iPhoneやGalaxyなんかは「ナイトモード」で全体的にぐっと明るくして見栄えの良い写真に仕上げてくれるので、こういう写真と比較してしまうとどうしても見劣りします。
まあ、ギャラクシーの写真なんかは「塗り絵」って表現する人も多いので好みだとは思いますけどね。
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料理の写真は、カラーバランスは見たままでぐっと明るさをプラスしたような調整になっていて美味しそうに撮る事ができました。
マクロはついてませんが、けっこう寄った写真も撮れたりして使いやすいと思います。
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ポートレートは精度自体はすごく良くていいんですけど、背景ボケモードにするとすっごく白飛びするようになるので使い勝手は微妙。
背景が白飛びするのはまだいいんですけど、手元の料理が白飛びするのは正直使いづらいですね。
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iPhoneやギャラクシーで撮るとこういう写真にはならないので、ポートレート写真を綺麗に撮りたいって人向きじゃないと思います。
Xperia 5 III の良いところ(メリット)
処理能力が高い
「Xperia 5 III」のCPUにはクアルコムの「Snapdragon 888」が採用されていて、現在発売されているandroidスマホの中では最高レベルの処理能力になっています。
発熱対策のおかげで本来の性能よりは若干低く調整されていますが、それでもTwitterやネット検索などの普段使いでの操作は快適、ウマ娘やPUBGなどの重いゲームでもサクサクプレイすることができました。
カメラのプロ機能が充実
「Xperia 5 III」のアウトカメラには、
- Photography Pro
- Cinematography Pro
の2つの撮影モードが用意されていて、ホワイトバランスやISO感度、シャッタースピードなどを細かく調整して撮影する事ができます。
カメラの知識がない人だと使いこなすのは難しいんですが、シーンに合わせた多彩な撮影モードに、αユーザーがなれ親しんだUIで操作できるようになっているので、自分好みの撮影設定で「Xperia 5 III」のカメラ性能を堪能したいって人におすすめです。
軽くて持ちやすい
「Xperia 5 III」の本体重量は168gですごく軽いというわけではないんですが、横幅が狭くて持ちやすいです。
縦に長いデザインは好みの差が激しいと思いますが、意外と操作はしやすいので片手で使いたいって人にもおすすめですね。
ゲームに最適な機能が豊富
「Xperia 5 III」には「ゲームエンハンサー」っていう機能がついていて、敵が視認しやすくなるように画質を変更できり、オーディオイコライザーを調整して敵の足音を強調させたりと細かな設定ができるほか、「HSパワーコントロール」を使えばバッテリーを介さずに給電できるので、バッテリーの発熱や劣化を抑える事ができます。
ゲームプレイヤーにとって嬉しい機能が豊富なので、ゲームが好きな人、特にFPSをプレイする人におすすめです。
Xperia 5 III の悪いところ(デメリット)
顔認証がない
「Xperia 5 III」の生体認証には指紋認証のみが採用されています。
認証の精度は良くてロック解除失敗なんて事はほとんどないんですけど、今では4万円台のスマホにさえ顔と指紋の両方の生体認証が搭載された機種が多い中、11万円のハイスペックモデルで指紋認証のみっていうのは正直物足りないです。
いつまで経ってもXperiaは顔認証を、iPhoneは指紋認証を頑なにつけようとしないんですけど、
なんででしょうね・・・。
発熱がある
「Xperia 5 III」に搭載されているCPU「Snapdragon 888」は発熱する事で有名なCPUです。
ソニーもそれを考慮して若干性能を落とす調整をしているようなんですが、それでもそれなりに発熱はあるので注意ですね。
具体的には、ゲームを20分以上プレイしたり、カメラで撮影をしているとCPUは40~50度くらい、バッテリーも35~40度前後になります。
すんごい熱くなるとか、発熱によってゲームに影響があったりする事はないんですが、触っていると誰が持っても明らかに熱くなっているなと感じるレベルなので気になる人は注意。
まあ、個人的には処理能力の高いハイエンドってゲームとカメラ撮影時は熱くなって当たり前って感覚なので、特にストレスを感じる事なく使えていますけどね。
動画の画質とUIがいまいち
「Xperia 5 III」の動画撮影は、
- フルHD
- 4K
- 1:1
- HD
から選べて、60fpsはフルHDのみ対応しています。
ただ、操作性については不満が多くて、まず現在どの動画サイズが選ばれているかを目視確認できないし、動画サイズを変更したい場合もいちいちメニューから入って変更する必要があります。また、撮影中もカメラの切り替えができないので広角から超広角に変更したい場合などは、録画をいったん停止してから切り替える必要があるのも面倒ですね。
iPhoneやGalaxyであれば、今どの動画サイズが選ばれているかを録画画面で表示してくれているし、そこをタップするだけで簡単に動画サイズを変更する事ができます。また、撮影中でも広角や望遠にワンタッチに切り替える事ができるのでいちいち録画を停止する必要がありません。
こういう操作性に関しては他社に比べて「Xperia 5 III」は2周くらい遅れている印象なので、すぐに改善してもらいたいポイントです。
Xperia 1 IIIの良いところが省かれている
「Xperia 5 III」は、ソニーのフラッグシップモデル「Xperia 1 III」からサイズがコンパクトになり、スペックを抑えた下位モデルという位置づけになっていて、その分価格もドコモ価格で4万円安く設定されているハイスペックスマホです。
価格が安くなっているのでスペックがダウンするのは仕方のない事ですが、Xperiaの特徴であり、他メーカーのスマホと比べても性能が優れてる、
- ディスプレイの綺麗さ
- スピーカーの音質
の2つの性能が落とされているのは残念な部分でした。
You Tubeや映画だけでなく、ゲームをプレイする場合でも映像と音は良いほうが快適だと思うので、本体のサイズ感と価格、電池もちの悪さが許容できるのなら個人的には「Xperia 1 III」のほうがおすすめです。
Xperia 5 III の評価と感想まとめ
人気 ★★★★★
処理能力 ★★★★★
写真性能 ★★★★☆
動画性能 ★★★★☆
電池持ち ★★★☆☆
画面の綺麗さ ★★★☆☆
価格の安さ ★★☆☆☆
ココがおすすめ
- 処理能力が高い
- 軽くて持ちやすい
- カメラのプロ機能が充実
- ゲームに最適な機能が豊富
ココがいまいち
- 発熱がある
- 顔認証がない
- 動画の画質とUIがいまいち
- Xperia 1 IIIの良いところが省かれている
ドコモ公式サイトで詳細をチェック