国内メーカーのソニーモバイルコミュニケーションズは、2018年の夏モデルとして、
- Xperia XZ2
- Xperia XZ2 Premium
- Xperia XZ2 Compact
の3機種を発表しました。
今回は「Xperia XZ2 Compact」を実際に購入して、カメラの性能や変更されたデザイン、スペックなどを徹底レビューしているので、購入を検討している人はぜひ参考にしてみて下さい。
「Xperia XZ2 Compact」のカラーバリエーション
「Xperia XZ2 Compact」のカラーバリエーション4色で、
- ホワイトシルバー
- モスグリーン
- ブラック
- コーラルピンク
です。
ホワイトシルバー
モスグリーン
ブラック
コーラルピンク
「Xperia XZ2 Compact」のスペック評価
Xperia XZ2 Compactのスペック詳細 | |
CPU | Snapdragon 845 |
外側カメラ | 約1,920万画素 |
内側カメラ | 約500万画素 |
ディスプレイ | 約5.0インチ フルHD+(2,160×1,080) |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
SDカード | microSDXC(最大400GB) |
電池容量 | 2,760mAh |
連続通話(LTE) | 約1,380分 |
連続待受(LTE) | 約430時間 |
高さ×幅×厚さ | 約135x65x12.1(mm) |
重量 | 約168g |
CPUは最新の「Snapdragon 845」を搭載し、処理能力は現在発表されているandroidスマホとしては最高レベル。
アウトカメラとインカメラにはフラッグシップモデルの「Xperia XZ2」と同等のカメラを搭載していて、コンパクトモデルながらかなり高性能なスペックになっています。
また、デザインがフルモデルチェンジした事により、ディスプレイが前作の「Xperia XZ1 Compact」よりも大きくなり、本体サイズが少し縦長になっている点にも注目ですね。
また、「Xperia XZ2」と同じく、イヤホンジャックがなくなった事も大きな特徴です。
Xperia XZ2 Compactの機能&サービス
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | 〇:〇 |
赤外線通信 | × |
ハイレゾ | 〇 |
ワイヤレス充電 | × |
イヤホンジャック | × |
Bluetooth | Bluetooth5.0 |
防水:防塵 | IPX5/IPX8:IP6X |
PS4リモートプレイ | 〇 |
生体認証 | 指紋認証センサー |
機能面では、赤外線通信を除いたほぼ全ての機能が使用できる「全部入り」となっていますが、今作からイヤホンジャックは廃止されている事と、ワイヤレス充電には対応していないので注意して下さい。
「Xperia XZ2 Compact」のカメラ性能レビュー
Xperia XZ2 Compactのカメラスペック詳細 | ||
カメラ画素数 | 外側カメラ:約1,920万画素 内側カメラ:約500万画素 |
|
F値 | 外側カメラ:2.0 内側カメラ:2.2 |
|
オートフォーカス機能 | 静止画:○ 動画:○ |
|
ズーム(最大) ※外側カメラのみ |
静止画:デジタル8倍 動画:デジタル8倍 |
|
ISO感度(最大) | 静止画:ISO12,800 動画:ISO4,000 |
|
手ブレ補正機能 | 外側カメラ | 静止画:電子式 動画:電子式 |
内側カメラ | 静止画:電子式 動画:電子式 |
Motion Eyeカメラシステム
「Xperia XZ2 Compact」のアウトカメラには、ソニーが誇る最先端のテクノロジー「Motion Eyeカメラ」が搭載されていて、撮影モードは、
- プレミアムおまかせオート
- ビデオ
- スーパースローモーション
- カメラアプリ
- マニュアル
の5つのモードからスワイプで簡単に切り替える事ができます。
基本的には「プレミアムおまかせオート」で写真を撮り、「料理」や「背景」など、最大52パターンの中からAIが最適な設定を選んでくれますが、マニュアルモードにすればシャッタースピードやISO感度、ホワイトバランスなどを手動で調整して、より自分好みの設定で撮影する事もできます。
また、カメラアプリには、
- クリエイティブエフェクト
- パノラマ
- サウンドフォト
- ARエフェクト
- ぼけエフェクト
が用意されていて、流行りの「背景ボケ撮影」や、ARを使用した撮影「ARエフェクト」はカメラアプリから選択する事になります。
明るい場所での風景
明るい昼間の撮影は、かなり高画質な写真を撮る事ができました。
カラーバランスはAIによる画像の処理技術によって好みがわかれるところですが、「Xperia XZ2 Compact」は肉眼で見た感じに近い自然な写真が撮れる印象ですね。
暗い場所での撮影
「Xperia XZ2 Compact」のカメラは暗い場所に強く綺麗な写真が撮影できますが、夜景のようなキラキラ系の場所だとちょっとぼやけた感じの写真になってしまいました。
下の2枚の写真は夜の東京駅を「プレミアムおまかせオート」で撮影した写真ですが、AIが「夜景」と認識するまでは全体的にかなり暗い印象の写真になり、AIが「夜景」と認識してから撮った写真は明るくはなるものの白飛びが目立っていますよね。
※クリックで拡大できます
場所によってはかなり綺麗に撮影できる事もありますが、ちょっと不安定な感じです。
ズーム撮影
※クリックで拡大できます
「Xperia XZ2 Compact」のアウトカメラでは、最大で8倍までのデジタルズーム撮影が行えます。
撮影している印象だと、2倍程度であればほぼ画質の劣化はなしで撮影ができるので、高画質で撮影したいのであればズームは2倍までに抑えておくのがおすすめ。
デジタルズームなので、8倍までいくと明らかに画質が粗くなっているのが確認できると思います。
ぼけエフェクト
「Xperia XZ2 Compact」の「背景ボケ写真」は、連続で2枚の写真を撮って合成する事で背景をぼかす仕組みになっていて、撮影直後に仕上がりを確認しながら、ぼけの大きさやぼかす方向などを調整する事もできます。
ただし、奥の被写体に焦点を当てて、手前をぼかすような撮影はできないので注意。また、ボケ効果の精度もかなり低く、ちょっと難しい被写体だと、
こんな感じの写真になってしまうので、何枚も撮って気に入った写真を残すようなイメージで撮影するとスムーズです。
料理の撮影
撮影頻度の高い料理の写真はかなり優秀で、「プレミアムおまかせオート」が料理に適した設定にしてくれますが、鮮やかにしすぎないのがいいですね。
見た目とほぼ同じカラーバランスながら、美味しそうに撮影できていると思います。
ただし、明るく撮れるような仕様にはなっていないので、店内が薄暗い場所だと全体的に暗い写真になってしまうのがちょっと気になりました。
動画撮影と手ぶれ補正
「Xperia XZ2 Compact」の動画撮影では、
- 4K/30fps
- フルHD/60fps
- フルHD/30fps
- HD/30fps
- VGA
の中から解像度を選ぶ事ができ、4K動画撮影では世界初となるHDR撮影に対応しました。
実際に何度か撮影してみましたが、4K動画ではソニー独自の手ぶれ補正「インテリジェントアクティブ」が使用できないものの、手振れ補正自体はしっかりと機能していてかなり優秀。
4K画質になると、そもそも手振れ補正が機能しない機種が多い中、「Xperia XZ2 Compact」は安定した4K撮影を楽しむ事ができます。
動画は「Xperia XZ2」で撮影したものですが、「Xperia XZ2 Compact」でもまったく同じ撮影ができるので参考にしてみて下さい。
フルHD スーパースローモーション
「Xperia XZ2 Compact」では、「Xperia XZ1 Compact」で好評だった最大960fpsのスーパースローモーションがさらに進化して、フルHD画質では0.1秒を3秒間として、HD画質では0.2秒間を6秒間として再生する事ができます。
こちらも「Xperia XZ2」で撮影したものですが、「Xperia XZ2 Compact」でもまったく同じ撮影ができるので参考にしてみて下さい。
3Dクリエーター
※クリックで拡大できます
「3Dクリエーター」は、カメラで顔をスキャンする事でアバターを作り、「AR」に登場させたりSNS用のスタンプとして活用する事ができる機能で、今回の「Xperia XZ2 Compact」からはインカメラでも3Dスキャンができるようになりました。
顔がリアルすぎるので好みが分かれるところですが、自撮りする時のちょっとしたアクセントなどにいいかもしれませんね。
約500万画素のインカメラ
※クリックで拡大できます
「Xperia XZ2 Compact」のインカメラには約500万画素F値2.2のレンズが採用されていて、静止画と動画の両方に電子式手ブレ補正が搭載されています。
前作の「Xperia XZ1 Compact」よりはスペックダウンしてしまいましたが、画質の違いは体感ではほとんど感じられないほどでした。
美肌補正のオン/オフのほか、「ARエフェクト」で楽しみながら撮影できるのがいいですね。
「Xperia XZ2 Compact」の特徴と使用レビュー
フルモデルチェンジされたデザイン
「Xperia XZ2 Compact」では、前作の「Xperia XZ1 Compact」から本体のデザインがフルモデルチェンジされ、液晶部分のアスペクト比が従来の16:9から18:9と縦長になりました。
背面は左から、
- RGBC-IRセンサー
- アウトカメラ
- レーザー AFセンサー
- フラッシュ/フォトライト
が並び、真ん中付近に指紋認証センサーを搭載。ディスプレイ面は上部に左から、
- 通知LED
- 近接/照度センサー
- 受話口/スピーカー
- インカメラ
が並び、下部にスピーカーを搭載しています。
※クリックで拡大できます
本体上部はセカンドマイクのみ、下部には送話口/マイクとUSB Type C ポートを搭載して、側面は右側に上から、
- 音量ボタン
- 電源ボタン
- カメラキー
左側はSIMカードトレイのみとなっています。
「Xperia XZ2 Compact」を実際に手に持った感想は「重くて厚い」という印象が強いですね。
コンパクトサイズのスマホを購入するユーザーは、コンパクトで軽く、薄いデザインを好む傾向がある中、前作よりも25g重く、2.8mmも厚くなったデザインは正直微妙だと感じてしまいました。
購入を検討している人は、1度手にとって確かめてみる事をおすすめします。
指紋認証センサーの位置が背面に移動
※クリックで拡大できます。
「Xperia XZ2」で酷評され、実際に使用してもやっぱり使いづらかった指紋認証センサーの位置ですが、「Xperia XZ2 Compact」でもほぼ同位置に搭載されています。
実際に手に持って使用してみましたが、
「Xperia XZ2」ほど使いづらくなかった
のがちょっと意外でしたね。本体サイズが「Xperia XZ2」よりも小さく軽い影響でしょうか。
ただし、けして使いやすいわけではないので、指紋認証センサーの位置も、1度手にとって確認するのが確実だと思います。
フルHD+ HDR対応ディスプレイ
液晶部分のアスペクト比が従来の16:9から18:9になったフルHD+のHDR対応ディスプレイでは、再生する動画や映画をHDR(ハイダイナミックレンジ)相当にアップコンバートし、迫力のある映像を楽しむ事ができます。
YouTubeなどの動画コンテンツも綺麗に再生されるのは嬉しいですね。
イヤホンジャック非搭載
「Xperia XZ2 Compact」は、Xperiaシリーズでは初めてとなるイヤホンジャック非搭載モデルとなりました。
同梱されている「USB Type C-イヤホンジャック変換アダプタ」を使用すれば従来と同じようにイヤホンジャックを使用する事もできますが、変換アダプタは固く、またポケットなどに入れた際の見た目も良くないので、イヤホンを使用するほとんどの人は Bluetoothイヤホン か USB Type Cのイヤホン を別途購入する事になると思います。
私はイヤホンジャックをなくすこと自体に否定的ですが、それでも先行してイヤホンジャックを非搭載にしたiPhoneには専用のイヤホンと充電器が同梱されています。
また、同じ2018年の夏モデルである「Galaxy S9/S9+」では、イヤホンジャックを搭載しているにも関わらず専用のイヤホンとカバーケースが同梱されました。
競合する他メーカーと比べても、今回の「Xperia XZ2 Compact」のイヤホンジャック非搭載での対応は不親切だなと感じてしまいました。
ウォークマンのオーディオ技術を結集した高音質
オーディオ面では、ウォークマンで培われたハイレゾ音源の再生、CDやMP3などの圧縮音源をハイレゾ音源相当に変換する「DSEE HX」を搭載して「Xperia XZ2」と同様の音質を楽しめます。
動画は「Galaxy S9」と「Xperia XZ2」の音量を最大にして比較したものですが、「Xperia XZ2」のほうはちょっとエコーがかかっている感じなんですよね。
動画だと伝わりづらいかもしれませんが、私はこの「常にホールバージョン」のような音質があまり好きではないので、スピーカーの音質にこだわりがある人は1度店舗などで他機種と聴き比べてみたほうが良いと思います。
「Xperia XZ2 Compact」の不具合情報
ゲーム音が鳴らない不具合
「Xperia XZ2」でゲームをプレイした時に音が出ない不具合があるという事で実機で検証してみましたが、本当に出ませんね・・・。
アップデートで改善されればいいですが。 pic.twitter.com/uUBUSVIZAs— くろねこのみみ (@kuroneko1582621) 2018年6月19日
「Xperia XZ2 Compact」が発売した当初は、ゲームアプリを使用中に音が出なくなる不具合が発生していましたが、8月上旬に行われたソフトウェアアップデートにより改善されました。
「Xperia XZ2 Compact」を購入後にゲーム音が出ない場合には、
「設定」→「システム」→「端末情報」→「ソフトウェアアップデート」
で更新ファイルがないか確認してみて下さい。
「Xperia XZ2 Compact」のベンチマークスコアと発熱テスト
これは、実際に計測した「Xperia XZ2 Compact」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 7.0.9:264,815
- Geekbench 4.2.3:シングル 2,377/マルチ 8,390
となっています。
前作の「Snapdragon 835」から1.3倍程度の処理能力となっていて、現在発表されているandroidスマホの中では最高レベルの処理能力ですね。
CPUパフォーマンスとバッテリー温度
※クリックで拡大できます
これは「Xperia XZ2 Compact」に大きな負荷をかけ続けてパフォーマンスの安定性を計測する「ストレステスト」を行った際のCPUパフォーマンスとバッテリー温度をグラフ化したもの。
1回目のテストでは、CPUパフォーマンスは開始から4分間だけ100%~40%で推移しましたが、その後は80%~40%の間で同じように推移していて、それに伴いバッテリー温度も上昇し続け43度まで上がりました。
2回目のテストでは、本体が43度くらいの熱を持った状態からスタートしましたが、CPUパフォーマンスは15分間100%~50%の間を同じように推移していて、バッテリー温度は43度のまま上がる気配を見せずに終了となりました。
テスト結果を見る限り、「Xperia XZ2 Compact」のバッテリー温度は43度以上は上がらないように制御されているようですね。
ゲームアプリで動作テスト
最後に動作テストとして、最新3Dゲームで有名な「PUBGモバイル」をプレイしてみました。
グラフィック設定は、
- クオリティ:HDR
- フレーム設定:ウルトラ
- アンチエイリアス:有効
- グラフィックの自動調整:無効
です。
さすがに思いっきり画面を左右に振れば一瞬カクつく事がありましたが、基本的には最高画質設定でも快適に操作する事ができました。
負荷のかなり多い最新の3Dゲームの最高画質設定でこれだけ動いてくれれば、現状ではどんなゲームアプリでも快適に楽しめると思います。
「Xperia XZ2 Compact」の付属品
「Xperia XZ2 Compact」に付属されている備品は「USB Type C-イヤホンジャック変換アダプタ(TVアンテナ機能付)」のみ。
本体を充電するのに必要な「USB Type C ACアダプタ」は入っていないので、持っていない場合にはあらかじめ購入しておきましょう。
パソコンにつないで写真などを管理したい場合には、「USB Type C ケーブル」と「アダプタ」が切り離せるタイプを購入すると便利ですよ。
「Xperia XZ2 Compact」の発売日と価格
新規契約 / 乗り換え / 機種変更 | |
本体価格 | 79,056円 (3,294円×24) |
端末購入サポート | -68,688円 |
実質負担金 | 10,368円 (432円×24) |
「Xperia XZ2 Compact SO-05K」の本体価格は79,056円(税込)。
実際に支払う金額はここから「端末購入サポート」という割引きを引いた「実質負担金」になります。
ただし、ドコモ公式オンラインショップ の5,184円割引はすでに価格に反映されているので注意。また、端末購入サポート対象機種は12カ月間以上利用しないと解除料金がかかるので注意して下さい。
「端末購入サポート」の解除料金はこちら
「Xperia XZ2 Compact」の機種変更時の月額料金シミュレーション
1人で契約する場合 | 家族に代表回線を契約 している人がいる場合 |
|
通話プラン | 1,058円 (シンプルプラン) |
1,058円 (シンプルプラン) |
spモード | 324円 | 324円 |
データプラン | 3,132円 ベーシックパック(1GB未満) |
540円 (シェアオプション) |
端末代金 | 432円 | 432円 |
月額料金 | 4,946円(税込) | 2,354円(税込) |
これは、「Xperia XZ2 Compact」を24回払いで購入したとして、ドコモの料金プランの中でできるだけ料金が安くなるように計算した月額料金のシミュレーションです。
1人で利用する場合は、毎月使用するデータ容量を1GB未満に抑えれば月額4,946円から、シェアオプションで利用する場合には月額2,354円から利用する事ができます。
ただし、「ベーシックパック」は使用したデータ容量によって最大で7,374円まで料金が上がる可能性があるので注意して下さいね!
「Xperia XZ2 Compact」の評価と感想
「Xperia XZ2 Compact」は、同時に発表された「Xperia XZ2」の本体サイズを小さくしたコンパクトスマホ。
「ワイヤレス充電」や「動画のバイブレーション機能」は削られていますが、処理能力やカメラ性能はそのままで、本体価格が2万円近くも安くなっているので、コストパフォーマンスはかなり良いと思います。
本体サイズにこだわる人が多いCompactシリーズとしては、前作の「Xperia XZ1 Compact」よりも大画面化した事により縦長になっている点と、デザインがフルモデルチェンジしている事で、より本体の厚みが増し、20gも重くなっている点に注意ですね。
デザインや重さには賛否両論ありますが、個人的にはコンパクトで持ちやすく、価格も安いので「Xperia XZ2」よりもおすすめです。