中国メーカーのHUAWEII(ファーウェイ)は2018年の3月27日にフランスのパリで行われた発表会で、
- HUAWEI P20 Pro
- HUAWEI P20
- HUAWEI P20 lite
の3種類のフラッグシップモデルを発表しました。
この記事では「HUAWEI P20 lite」を実際に購入して、カメラの性能や変更されたデザインなどを徹底レビューしているので、購入を検討している人はぜひ参考にしてみて下さいね。
「HUAWEI P20 lite」のカラーバリエーション
「HUAWEI P20 lite」のカラーバリエーションは3色で、
- クラインブルー
- サクラピンク
- ミッドナイトブラック
です。
クラインブルー
サクラピンク
ミッドナイトブラック
「HUAWEI P20 lite」のスペック評価
HUAWEI P20 liteのスペック詳細 | |
CPU | HUAWEI Kirin 659 |
外側カメラ | 約1,600万画素+約200万画素 |
内側カメラ | 約1,600万画素 |
ディスプレイ | 約5.7インチ フルHD+(2,280×1,080) |
RAM | 4GB |
ROM | 32GB/auのみ64GB |
SDカード | microSDXC(最大256GB) |
電池容量 | 3,000mAh |
連続通話(LTE) | 約1,100分 |
連続待受(LTE) | 約350時間 |
高さ×幅×厚さ | 約149x71x7.4(mm) |
重量 | 約145g |
CPUはHUAWEIの「Kirin 659」を搭載し、処理能力はやや低め。
アウトカメラは約1,600万画素・F値2.2の標準カメラの他に、被写界深度測定用のカメラを搭載したデュアルカメラ仕様となっています。
さらにRAMが4GB、電池容量は3,000mAhと低価格スマホとは思えないスペックになっていますね。
また、「HUAWEI P20 lite」は SIMフリーモデル としても発売されていますが、au版との違いはROMの容量のみとなっています。
HUAWEI P20 liteの機能&サービス
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | × |
ワンセグ:フルセグ | ×:× |
赤外線通信 | × |
ハイレゾ | × |
ワイヤレス充電 | × |
イヤホンジャック | 〇 |
Bluetooth | Bluetooth4.2 |
防水:防塵 | ×:× |
スピーカー | モノラルスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー 顔認証センサー |
機能面では、おサイフケータイや防水・防塵など、他の機種と比べるとできない事が多いので注意ですね。
生体認証だけはしっかり搭載して、他の便利機能を削るかわりに本体価格を抑えているといった印象でしょうか。
「HUAWEI P20 lite」のカメラ性能レビュー
HUAWEI P20 liteのカメラスペック詳細 | ||
カメラ画素数 | 外側カメラ:約1,600万画素+約200万画素 内側カメラ:約1,600万画素 |
|
F値 | 外側カメラ:2.2 内側カメラ:2.0 |
|
オートフォーカス機能 | 静止画:○ 動画:○ |
|
ズーム(最大) ※外側カメラのみ |
静止画:デジタル4倍 動画:デジタル4倍 |
|
ISO感度(最大) | 静止画:ISO3,200 動画:未発表 |
|
手ブレ補正機能 | 外側カメラ | 静止画:なし 動画:なし |
内側カメラ | 静止画:なし 動画:なし |
デュアルカメラ
「HUAWEI P20 lite」のアウトカメラは、約1,600万画素・F値2.2の標準カメラの他に、約200万画素のカメラを搭載したデュアルカメラ仕様になっています。
約200万画素のカメラのほうは被写界深度測定用となっていて、これにより「背景ボケ写真」がスムーズに撮影できるようになっているんですね。
撮影モードは、
- 写真
- ワイドアパーチャ
- ポートレート
- 動画
- アニメーション写真
が撮影画面からワンタッチで選べるようになっていて、画面をスワイプさせる事でスローモーションやパノラマ撮影など、様々な撮影モードを選択する事ができます。
明るい場所での撮影
日中の撮影では、低価格スマホとは思えない綺麗な写真が撮影できました。また、シャッターを切ってから撮影が終わるまでの時間も一瞬なので、サクサク撮影できるところも使いやすいですね。
カメラに詳しい人は「プロ写真」モードにする事で、ISO感度やシャッタースピード、ホワイトバランスなどを変えられるので、より自分好みの設定で撮影する事も可能です。
暗い場所での撮影
夜の撮影では、日中の撮影から一転して黒つぶれが多く暗い写真になってしまいました。
ただし、カメラが悪いのではなく、肉眼で見た感じも上の写真とほぼ同じなので、3万円前後の廉価モデルスマホとしては標準レベルといったところでしょうか。・・・というか、最近の最上位モデルが凄すぎるだけなんですよね。
ちなみに、同時に発売されたP20シリーズの最上位モデル「HUAWEI P20 Pro」と比べてしまうと、
※クリックで拡大できます。
これくらい差があります。
この写真を見ると、「HUAWEI P20 lite」の暗所撮影の精度は低いのではなく、価格を抑える為にあえて削られているという事がわかりますね。
夜間撮影モード
※クリックで拡大できます
「夜間撮影モード」はシャッターボタンを押してから実際にシャッターを切るまで8秒間あり、様々な露出で撮影した写真を合成して1枚の写真を仕上げる撮影方法。
「HUAWEI P20 Pro」の「夜景モード」と同じような仕様になっているものの、上の写真を見ればわかるとおりブレブレですよね・・・。
シャッターボタンを押してから8秒間まったく動かなければ綺麗に撮れるはずなんですが、手持ち撮影では何度やっても上手くいかず、最後は台の上に置いて撮影してみましたがダメでした。
「HUAWEI P20 lite」のような低価格スマホに三脚を使用する人はいないと思うので、「夜間撮影モード」は実用的なレベルではないと感じました。
ズーム撮影
※クリックで拡大できます。
「HUAWEI P20 lite」では4倍までのズーム撮影ができます。
実際に何枚か撮影してみましたが、2倍程度までであれば1倍とほぼ変わらないくらいの画質で撮影する事ができました。4倍ズームまでいくと画質が粗くなっている事が確認できますよね。
また、ズーム時に現在の倍率が数字で確認できない点はちょっと使いづらさを感じました。
ワイドアパーチャ
「ワイドアパーチャ」は、背景をぼかして被写体を強調した写真が撮影できるモード。
「HUAWEI P20 lite」は、この「背景ボケ写真」の為だけに約200万画素の被写界深度測定用カメラを搭載しているだけあって、かなり綺麗に撮影できてますよね。
特にアジサイの写真のようにはっきりとした境目がない被写体は背景をぼかすのが難しいんですが、しっかりと手前のアジサイが強調された写真に仕上がっています。
特に「HUAWEI P20 lite」が優れていると思ったのは撮影中で、これまで撮影してみた全ての機種で「背景ボケ写真」を撮る場合には「被写体から離れて下さい」や「被写体に近づいて下さい」などのメッセージが出て撮影するのに時間がかかりましたが、「HUAWEI P20 lite」ではどんな距離でもほとんどの場合ですぐにピントを合わせて綺麗な「背景ボケ写真」を撮る事ができました。
「背景ボケ写真」の精度では10万円前後はする 2018年夏モデル のフラッグシップモデルと比べても圧倒的な性能だと思います。
料理の撮影
料理の撮影はかなり綺麗な写真を撮る事ができました。
専用の「料理モード」のようなものはありませんが、「ワイドアパーチャ」が優秀なので背景をぼかして撮影するのもいいですね。
ポートレートモード
「ポートレートモード」では、背景をぼかすほか、美肌補正効果のある「ビューティーレベル」を10段階で調整しながら撮影する事ができます。
実際に撮影してみた感想としては、撮影スピードが速いのでサクサク撮れるのが使いやすかったですね。
画質も素晴らしく、美肌補正や背景ボケなどの精度もかなり良いです。
約1,600万画素のインカメラ
※クリックで拡大できます
約1,600万画素、F値2.0のインカメラでは、アウトカメラ同様に、
- 背景ボケ
- ビューティーモード
に対応して、他機種のアウトカメラなみの高画質撮影が楽しめます。
※クリックで拡大できます
ただし、背景ボケに関してはアウトカメラに比べると精度が落ちるので注意。インカメラはシングルカメラなので当然ですけどね。
また、ビューティーレベルは最大の10にするとかなり違和感のある写真になるので注意して下さいね!
「HUAWEI P20 lite」の特徴と使用レビュー
コンパクトなスリムデザイン
「HUAWEI P20 lite」は丸みのある薄型のコンパクトデザインになっていて、背面には指紋認証センサーと縦に並んだデュアルカメラが搭載され、ディスプレイ上部には左から、
- 照度センサー
- 受話口
- インカメラ
が搭載されています。
※クリックで拡大できます
本体上部はサブマイクのみで、下部には左から、
- スピーカー
- メインマイク
- USB Type C ポート
- イヤホンジャック
が並び、側面は左側にSIMカードトレイ、右側に上から音量ボタンと電源ボタンが並んでいます。
基本的にシンプルなデザインでボタンも少ないので、ボタン配置にすぐ慣れるのがいいですね。また、厚さ7.4mm、重さ約145gと軽量なので、片手でらくらく操作できるところが使いやすいです。
フルHD+ワイドディスプレイ
「HUAWEI P20 lite」にはフルHD+の「ワイドディスプレイ」が採用されています。
画面上部に切り欠き(ノッチ)部分を残して、できるだけベゼル部分を削って大画面化しているのが特徴的ですね。
ちなみにノッチ部分は設定で隠す事ができるので、好みによって使い分ける事ができますよ!
選べる生体認証
「HUAWEI P20 lite」では本体背面にある指紋認証のほか、顔認証でもロック解除をする事ができます。
3万円代のスマホで顔認証まで使えるのは驚きですよね。
「HUAWEI P20 lite」のベンチマークスコアと発熱テスト
これは、実際に計測した「HUAWEI P20 lite」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 7.0.9:87,268
- Geekbench 4.2.3:シングル 925/マルチ 3,704
となっています。
CPUパフォーマンスとバッテリー温度
※クリックで拡大できます
これは、「HUAWEI P20 lite」に大きな負荷をかけ続けてパフォーマンスの安定性を計測する「ストレステスト」を行った際のCPUパフォーマンスとバッテリー温度をグラフ化したもの。
1回目のテストでは、CPUパフォーマンスは100%から80%の間で15分間同じように推移していて、それに伴いバッテリー温度も上昇し続け一瞬ですが42度を記録しました。
2回目のテストでは、本体が37度くらいの熱を持った状態からスタートしましたが、CPUパフォーマンスが調整をするかのように80%を少し下回るところで推移し、その影響でバッテリー温度は38度あたりをピークに上昇が止まる結果になっています。
テスト結果を見る限り、「HUAWEI P20 lite」のバッテリー温度は38度~40度あたりでCPUの調整が入り、それ以上温度が上昇しないように制御されているようですね。
ゲームアプリで動作テスト
最後に動作テストとして、最新3Dゲームで有名な「PUBGモバイル」をプレイしてみました。
グラフィック設定は、
- クオリティ:スムーズ
- フレーム設定:中
- グラフィックの自動調整:無効
です。
「HUAWEI P20 lite」のほうで調整されているらしく、高スペック機種では選択できたクオリティ「HDR」やフレーム設定「高・ウルトラ」などは選択できないようになっていました。同様の事が他のゲームアプリでもあると思うので注意ですね。
実際にプレイしてみた印象としては、一瞬カクつく事はあるものの、プレイできないレベルではないなという感じ。
負荷のかなり多い最新の3Dゲームでこれだけ動いてくれれば、2Dゲームはサクサクプレイできそうですね。ただし、けして処理能力が高い機種というわけではないので、過度な期待は禁物ですよ!
「HUAWEI P20 lite」の付属品
※クリックで拡大できます
「HUAWEI P20 lite」には、
- SIN取り出しピン
- マイク機能付イヤホン
- HUAWEI Quick Charger(ACアダプタ)
- USB Type C ケーブル
- クリアケース
が付属品として同梱されています。
最近の機種はACアダプタが付属されていない機種が多いですが、「HUAWEI P20 lite」には同梱されているので購入してしまわないように注意ですね。
また、クリアケースは本体にピッタリフィットした薄型なので、とても使いやすいです。
「HUAWEI P20 lite」の発売日と価格
「HUAWEI P20 lite」の発売日は2018年6月15日で、本体価格は30,000円前後(税込)。
「HUAWEI P20 lite」はSIMフリーモデルも同時に発売されるので、現在通信会社のSIMカードは持っていて本体のみを購入したい場合は、日本正規代理店品が購入できる amazon がおすすめ。
今回、私はSIMフリーモデルを購入してみました。
au版「HUAWEI P20 lite」の本体価格
新規/機種変更/乗り換え(MNP) | |
本体価格 | 32,400円 (1,350円×24) |
毎月割 | -8,424円 (-351円×24) |
実質負担金 | 23,976円 (999円×24) |
※上記の価格は2018年6月現在の金額です。時期によって本体価格と割引金額は変動するので注意して下さい。
au版「HUAWEI P20 lite」の発売日は2018年6月15日で、本体価格は32,400円前後(税込)。
購入する場合には「毎月割」という割引が適用され、ユーザーが実際に支払う金額は「毎月割」を引いた「実質負担金」となります。
また、新料金プラン「ピタットプラン/フラットプラン」で申し込む場合は、「毎月割」が発生しないかわりに アップグレードプログラムEXに加入する事ができ、最大で半額の本体価格になります。
「HUAWEI P20 lite」の評価と感想
「HUAWEI P20 lite」はカメラ性能に特化した低価格スマホ。
暗所での撮影には弱めで使い物にならない「夜間撮影モード」はあるものの、「ワイドアパーチャ」や「ポートレートモード」の精度がかなり優秀で撮影していて楽しいです。
インカメラとズーム撮影の性能を考慮しても、同価格帯のスマホでは間違いなくトップクラスのカメラ性能だと思います。また、片手でも操作しやすいコンパクトデザインや選べる生体認証など、機能面でもストレスなく使えるのがいいですね。
ただし、防水やおサイフケータイなどの便利機能は使えないので注意。
できない事を把握した上で購入するなら、3万円程度で購入できるスマホとしては現時点で最高レベルの機種だと思います。