シャープは、2019年5月8日にフラッグシップモデル「AQUOS R3」を発表しました。
「AQUOS R3」は2018年夏モデルとして発売された「AQUOS R2」の後継機となっていて、2019年6月24日に各キャリアから発売されています。
この記事では、「AQUOS R3」を実際に購入してカメラの性能や使用感などを徹底レビューしています。
AQUOS R3 のカラーバリエーション
「AQUOS R3」のカラーバリエーションは、
- プラチナホワイト
- プレミアムブラック
- ラグジュアリーレッド(ドコモ限定)
- ピンクアメジスト(au限定)
- エレガントグリーン(ソフトバンク限定)
の5色。
基本色の「プラチナホワイト」と「プレミアムブラック」に加え、各キャリアで限定カラーが用意されています。
プラチナホワイト
プレミアムブラック
ラグジュアリーレッド
ピンクアメジスト
エレガントグリーン
AQUOS R3 のスペック詳細
AQUOS R3 | AQUOS R2 | |
CPU | Snapdragon 855 | Snapdragon 845 |
外側カメラ | 約1,220万画素 約2,010万画素 |
約2,260万画素 約1,630万画素 |
内側カメラ | 約1,630万画素 | 約1,630万画素 |
ディスプレイ | 約6.2インチ(3,120×1,440) QHD+ 液晶ディスプレイ |
約6.0インチ(3,040×1,440) QHD+ 液晶ディスプレイ |
RAM / ROM | 6GB / 128GB | 4GB / 64GB |
SDカード | microSDXC(最大512GB) | microSDXC(最大400GB) |
電池容量 | 3,200mAh | 3,130mAh |
高さ×幅×厚さ | 約156x74x8.9(mm) | 約156×74×9(mm) |
重量 | 約178g | 約181g |
「AQUOS R3」にはクアルコムのCPU「Snapdragon 855」が搭載され、RAMは6GB。
外側カメラは、前作「AQUOS R2」と同じ静止画専用カメラと動画専用カメラの2つを搭載したデュアルカメラ仕様となっていて、カメラセンサーと画質処理エンジンが一新された事で約2.4倍の光を取り込めるようになり、画質が向上しています。
ディスプレイには、なめらかさと省エネ性能に優れた「Pro IGZOディスプレイ」を採用。
電池容量も3,200mAhと、前作より大きくなった事で特徴であった「電池持ち」もさらに良くなっています。
AQUOS Rシリーズとしての特徴はそのままに、前作よりも全体的にスペックアップしている印象ですね。
AQUOS R3 のカメラ性能レビュー
AQUOS R3 のカメラスペック詳細 | ||
カメラ画素数 | 標準カメラ:約1,220万画素 動画カメラ:約2,010万画素 内側カメラ:約1,630万画素 |
|
センサーサイズ / F値 | 標準カメラ:1/2.5インチ / 1.7 動画カメラ:1/2.7インチ / 2.4 内側カメラ:1/3.0インチ / 2.0 |
|
ISO感度(最大) | 静止画:ISO3200 動画:ISO5000 |
|
オートフォーカス | 静止画:○ 動画:○ |
|
ズーム(最大) | 静止画:デジタル8倍 動画:デジタル8倍 |
|
手ブレ補正 | 外側カメラ | 静止画:光学式 動画:光学式 |
内側カメラ | 静止画:✕ 動画:電子式 |
「AQUOS R3」のアウトカメラには、
- 標準カメラ
- 動画専用広角カメラ
の2つのカメラが搭載されていて、それぞれのカメラにシーン判別のAI機能があり、人、猫、料理など、9種類のシーンを判別してくれます。
撮影モードは、
- ビデオ
- 写真
- スロービデオ
- タイムラプス
- ポートレート
- マニュアル
の6種類があり、マニュアルモードでは、ISO感度やシャッタースピード、ホワイトバランスなどを自由に設定した撮影も行えます。
撮影スピードがワンテンポ遅い
実際に「AQUOS R3」のカメラで撮影していて感じたんですが、「AQUOS R3」は他のハイエンドモデルと比べると撮影スピードがワンテンポ遅いのが気になりました。
シャッターを押してから次の撮影ができるようになるまで1.5~2秒くらいでしょうか。
連続でシャッターを切る習慣がない人にとってはまったく問題ありませんが、私のようにパッパッパっとある程度の枚数をまとめて撮りたい場合にはちょっとストレスですね。
特にHDRが機能している時や夜景撮影ではさらに撮影スピードが伸びる傾向にあるので、もう少し短くなってくれると使いやすいなあと感じました。
昼間の撮影は自然なカラーバランスで綺麗
これは、「AQUOS R3」で撮影した公園の写真ですが、かなり高画質な写真が撮れました。
「木」や「風景」にはシーン判別のAI機能がないので、良くも悪くも見た目とほぼ同じカラーバランスの写真になりますね。
※クリックで拡大できます
「AQUOS R3」のカメラは、かなり接近しても綺麗に撮れるので使いやすかったです。
トリプルカメラ搭載の「Xperia 1」と比べても、遜色のない写真に仕上がってますよね。
最近のシーン判別のAI機能を搭載した機種と比べると物足りなく思う人もいると思いますが、肉眼で見たままの景色を写真に撮りたい人は使いやすいんじゃないでしょうか。
夜の撮影は白飛びやザラつきが気になる
続いて夜の撮影ですが、ライトの多い場所ではザラつきがちょっと出てくるのと、所々で白飛びがみられるのが気になりました。
試しに、同じ価格帯の「Galaxy S10」と「Xperia 1」とで撮り比べてみましたが、
※クリックで拡大できます
こんな仕上がりになりました。
やっぱり撮影が難しい夜景になるとハイエンドモデルでも差がでますね。
「AQUOS R3」は白飛びとザラつきが目立つのに対して、「Galaxy S10」と「Xperia 1」はしっかりと白飛びが抑えられていて綺麗に撮影できてますよね。
「AQUOS R3」も、けして画質の粗さが目立つような質の写真ばかりではありませんが、「Galaxy S10」と比べてしまうと物足りない印象です。
ズームは最大8倍、綺麗に撮るなら2倍まで
※クリックで拡大できます
「AQUOS R3」のアウトカメラは、最大で8倍までのデジタルズーム撮影に対応しています。
試しに馬の銅像を撮影してみましたが、2倍程度であればほとんど通常撮影と変わらない印象の写真に仕上がりますが、最大の8倍までいくと画質は粗くなる感じですね。
また、操作面では、ズーム時に現在の倍率が何倍なのかが表示されないのが不便に感じました。
料理の写真は明るく美味しそうに撮れる
あまりカメラを使用しない人でも、SNS用に料理の写真は頻繁に撮影するという人は多いですよね。
「AQUOS R3」のカメラは、シーン判別のAIが「料理」を認識して専用の撮影モードに切り替えてくれますが、カラーバランスを変えるというよりは全体的に明るくしてくれる印象で、かなり使いやすかったです。
試しに、店内がちょっと薄暗いカフェで撮影してみましたが、
こんな感じで全体的に明るく撮影してくれるので、美味しそうに撮る事ができました。
不自然なカラーバランスになる事もなく使いやすいので、料理の撮影に関してはかなり満足しています。
ポートレート撮影の精度はそこそこで「物」は背景ぼかし不可
「AQUOS R3」のアウトカメラには「ポートレートモード」という、背景をぼかして被写体を強調させた写真が撮れる撮影モードがあります。
実際に撮影してみましたが、成功すればかなり精度の高いポートレート写真が撮れるものの、成功する確率は70%くらいで、仕上がった写真を確認するまで失敗した事がわからない仕様がちょっとストレスでした。
それと「人」以外は背景ぼけ撮影に対応していないのも残念な部分ですね。
人以外はまったく対応できないっぽくて、何か物を手にした人を撮影すると上記のように手に持った物を背景と認識したりします。
機種よっては「ポートレートモード」でも人以外を撮影できたりしますが、「AQUOS R3」ではできないようです。
動画はフルHDだと綺麗な映像が撮影できる
※動画のレビューは6:50~です
「AQUOS R3」では、標準カメラと動画専用広角カメラの両方で動画を撮影する事ができ、動画サイズは、
- 4K:30fps
- フルHD:60fps / 30fps
- HD:60fps / 30fps
- 18:9(1,920×960)
- 4:3(1,440×1,080)
- 1:1(1,080×1,080)
から選ぶ事ができます。
ただし、光学式手ぶれ補正は標準カメラにのみ対応で、動画専用広角カメラでは電子式しか選べないので注意。
また、HDRは動画専用広角カメラでのみオンにできる仕様になっています。
実際に撮影をしてみましたが、フルHDでは昼間の撮影と夜の撮影の両方で手ぶれ補正もしっかり機能していて高画質な動画が撮れましたが、4Kになると画質が粗くなりカクつくのが気になりました。
動画専用だけに、動画は広角カメラでフルHD画質で撮影するのがおすすめですね。
インカメラの自撮り撮影はAQUOS Beautyが楽しい
※クリックで拡大できます
「AQUOS R3」には約1,630万画素のインカメラが搭載されていて、自撮り撮影用に美肌アプリと同じような補正をかけられるAQUOS Beauty(アクオス ビューティー)機能が用意されています。
AQUOS Beautyで補正できる項目は、
- 美肌
- 小顔
- 色合い
- 明るさ
- 目の大きさ
の5項目。
※クリックで拡大できます
補正機能を使うと背景をぼかす事ができなくなる機種が多いですが、「AQUOS R3」は背景ボケも同時に使用できるのが使いやすいですね。
画質もかなり良いので、自撮り写真を頻繁に撮るという人におすすめです。
AQUOS R3 の特徴と使用レビュー
AQUOS R3の便利機能 | |
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | 〇:〇 |
赤外線通信 | ✕ |
ワイヤレス充電 | 〇 |
Bluetooth | Bluetooth5.0 |
防水:防塵 | IPX5 / IPX8:IP6X |
耐衝撃 | ✕ |
イヤホンジャック | 〇 |
ハイレゾ | 〇 |
スピーカー | ステレオスピーカー |
生体認証 | 指紋認証センサー 顔認証センサー |
AQUOS R3 のデザインとボタン配置
「AQUOS R3」の素材には、高級感のある曲面3Dガラスとアルミフレームが採用されていて、背面には左上に、
- 動画カメラと標準カメラ
- モバイルフラッシュ
が並び、真ん中に「おサイフケータイ」が搭載されています。
ディスプレイ面には画面上部にインカメラ、その上に、
- 受話口/スピーカー
- 近接/明るさセンサー
- 着信/電源ランプ
が並び、画面の下に「指紋認証センサー」という配置ですね。
右側面には上から
- 音量キー
- 電源キー
- アシスタントキー
が並んでいます。
左側面には「SIMカードトレイ」のみ。
本体上部には「マイク」と「イヤホンジャック」。
本体下部には左から、
- USB Type-C接続端子
- 送話口/マイク
- スピーカー
が並んでいます。
デザインは高級感がありお洒落ですが、ディスプレイの上下にあるノッチ部分は好みが分かれそうですね。
本体重量は重めなので片手で操作するには不向き
「AQUOS R3」の本体重量は約178gでズシッと重く、本体サイズも大きめなので、片手で操作するというよりは両手で操作するスマホっていう印象ですね。
178gは重すぎるっていうレベルの重量ではないので、両手で操作する分には快適ですが、片手で操作したい人はスマホリングなどを使用しないと不便だと思います。
普段の操作でも温かい程度の発熱がある
「AQUOS R3」には処理能力の高い最新のCPU「Snapdragon 855」が搭載されていますが、発熱しやすいのか、操作していて本体が温かくなるのが気になりました。
ゲームプレイ時だけでなく、動画視聴時やネット検索をしている時でも発熱を感じる事があるので、発熱が気になるという人は注意ですね。
温度としては熱いというよりは「温かい」くらいの温度が続く感じです。
電池持ちは良いほう
「AQUOS R3」の電池容量は3,200mAhで、最新のスマホとしてはそこまで大きなバッテリーというわけではありませんが、実際に使用している感想としては電池持ちは良い印象ですね。
さすがにハイスペックモデルなので、ゲームなどをプレイすればモリモリ電池は減っていきますが、同じ価格帯のスマホと比べれば電池効率は良いと感じました。
朝100%にした充電は、適度に動画やゲームをしても家に帰ってくる夜7時ごろに確認して30%~40%以上ある事が多いので、かなり快適に使用できています。
※体感なので、電池持ちの印象には個人差があります
画面の動きがなめらかで楽しい
前作「AQUOS R2」で評判の良かった操作性は、リフレッシュレートが100Hz→120Hzになった事でさらに向上しました。
実際に操作してみましたが、画面のなめらかさは「AQUOS R3」がダントツでスムーズですね。
使用しているアプリ毎に「なめらかハイスピード表示」のオン / オフが可能なので、電池持ちを気にする人でも使いやすいと思います。
AQUOS独自の便利機能が使いやすい
「AQUOS R3」には、AQUOS独自の便利機能がたくさん搭載されています。
その中でも特に便利だと思ったのは、
- 日差しの下でも画面を見やすくする「アウトドアビュー」
- のぞき見を防ぐ「のぞき見ブロック」
- 画面を自動でスクロールしてくれる「スクロールオート」
- 画面の縁をなぞるだけでスクリーンショットが撮れる「Clip Now」
- 人口知能をもった音声アシスタント「エモパー」
ですね。
個人的には「スクロールオート」を使用する機会が多くて、Twitterや縦に長いページを見る際にスワイプする手間が省けるのが便利でした。
外でスマホを見る習慣がある人は「アウトドアビュー」なんかも嬉しいですよね。
顔認証と指紋認証の両方が使えるのはやっぱり便利
「AQUOS R3」では、従来の指紋認証センサーに加え、新たに顔認証センサーも搭載されました。
実際に使用してみても、やっぱり指紋認証と顔認証がどちらも使えるというのは便利ですね。
どちらでも認証できるように設定して使用していますが、普段は指紋センサーに指を置く前に顔認証が反応してロック解除してくれるイメージです。
スピーカーは音質は良いけれど最大音量が小さい
「AQUOS R3」では、臨場感があり映画館でも採用される音響技術「ドルビーアトモス」をスピーカーで楽しむ事ができます。
実際に映画を観たり音楽を聴いたりしてみましたが、音質はかなり良かったんですが、他のハイエンドモデルと比べると最大音量が小さめなのが気になりました。
ちょっと離れて動画を観たりする場合は、場面によって「もう少し音量を上げたい」と思う事があるかもしれないので注意して下さい。
AQUOS R3 のベンチマークスコア
これは、実際に計測した「AQUOS R3」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 7.2.2:349,539
- Geekbench 4.3.4:シングル 3,,463 / マルチ 10,626
- Geekbench Compute:7,201
となりました。
2019年の夏時点のandroidスマホとしては最高レベルの処理能力ですね。
このスコアであれば、どんなゲームでも快適にプレイできると思います。
AQUOS R3 の付属品
「AQUOS R3」に同梱されている付属品は、
- SIM取り出しツール
- テレビアンテナケーブル
のみ。
本体を充電するのに必要な「USB Type-C ACアダプタ」は同梱されていないので、持っていない場合にはあらかじめ購入しておく必要があります。
AQUOS R3 の発売日と本体価格
ドコモ版 AQUOS R3 SH-04Lの本体価格
ドコモ版「AQUOS R3 SH-04L」の発売日は2019年6月1日で、本体価格は89,424円(税込)。
36回払いにした場合の毎月の請求額は2,484円で、「スマホおかえしプログラム」に加入する事で最大で3分の2の負担額となる59,616円(税込)になります。
ただし、「スマホおかえしプログラム」は利用時に購入した「AQUOS R3 SH-04L」本体をドコモに返却する必要があるので注意して下さい。
au版 AQUOS R3 SHV44の本体価格
au版「AQUOS R3 SHV44」の発売日は2019年5月25日で、本体価格は99,360円(税込)。
48回払いにした場合の毎月の請求額は2,070円で、「ピタットプラン/フラットプラン」で申し込む場合は「アップグレードプログラムEX」に加入する事ができ、最大で半額の49,680円(税込)になります。
ただし、「アップグレードプログラムEX」は月額390円の料金がかかるほか、適用されるのは次回機種変更をした場合のみで、その際に購入した「AQUOS R3 SHV44」の本体は回収されるので注意して下さい。
ソフトバンク版 AQUOS R3 808SHの本体価格
ソフトバンク版「AQUOS R3 808SH」の発売日は2019年5月24日で、本体価格は113,760円(税込)。
48回払いにした場合の毎月の請求額は2,370円で、「半額サポート for Android」を利用する場合は最大で半額の56,880円(税込)になります。
ただし、「半額サポート for Android」が適用されるのは次回機種変更をした場合のみで、その際に購入した「AQUOS R3」の本体は回収されるので注意して下さい。
AQUOS R3 の評価と感想まとめ
ココがおすすめ
- 電池持ちが良い
- 自撮り撮影は機能が充実
- 画面の動きがなめらかで楽しい
- AQUOS独自の便利機能が使いやすい
- 料理の写真が明るく美味しそうに撮れる
ココがいまいち
- 本体重量は重め
- 発熱がそれなりにある
- スピーカーの最大音量が小さい
- 「物」は背景ぼかし撮影ができない
- 夜の撮影は白飛びやザラつきが気になる