「Xperia XZ2」と「Xperia XZ2 Compact」のデザインの評価が悪くて話題になっていますね。
「Xperia XZ2」は現在売り上げが絶不調となっていて、発売日の週は売上ランキング上位に入ったものの、2週目には前作「Xperia XZ1」に販売台数で負けてしまい、悪い意味で注目されてしまいました。
この売上結果になってしまった背景には、評判の悪かったデザインが強く影響していると思われますが、今回はそんな「Xperia XZ2/XZ2 Compact」のデザインについて解説していきたいと思います。
「Xperia XZ2/XZ2 Compact」のデザインの特徴と変更点
「Xperia XZ2/XZ2 Compact」は、今作からデザインがフルモデルチェンジされ、液晶部分のアスペクト比が従来の16:9から18:9と縦長になり、指紋認証センサーが画面横から背面に移動、背面はアーチ状にカーブしたデザインとなっています。
また、フルモデルチェンジに伴い前作までは搭載していたイヤホンジャックは廃止され、USB Type-C端子に統一されています。
変更点のポイントは、
- アーチ状にカーブしたデザイン
- 指紋認証センサーが画面横から背面に移動
- イヤホンジャックの廃止
で、この変更に伴い分厚く重くなった本体サイズに批判が集まっています。
アーチ状にカーブしたデザイン
「Xperia XZ2/XZ2 Compact」の背面は手に持った時のフィット感が重視され、アーチ状にカーブしたデザインになっています。
重視されただけあって、手に持った印象はかなり持ちやすいと感じましたが、テーブルなどに置いた際には安定感がまったくなくなりクルクル回ったり、ツルツルな質感の為か、ちょっとの傾斜や力でテーブルから滑り落ちたりするので、すごく使いづらいです。
「Xperia XZ2 Compact」の場合は背面素材がマット調の為、ここまでクルクルしませんが、テーブルの上に置いて操作するスマホとしての使いづらさは圧倒的ナンバーワンだと思います。
指紋認証センサーが画面横から背面に移動
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指紋認証センサーの位置は「Xperia XZ2/XZ2 Compact」が発表された直後から話題になっていましたが、使用してみるとやっぱり使いづらかったです。
上の写真は普段片手でスマホを持った状態を撮影したものですが、ちょうどカメラくらいの位置が自然に指が届く位置である事がわかりますよね。これを、自然に指が指紋認証センサーのところにいくように持ち替えると、下の写真のように小指にスマホ本体を乗せるような持ち方になります。
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この持ち方であれば指紋認証はスムーズなんですが、今度は約198gもある本体の重さで小指がつりそうになる・・・。
結局、私は毎回指をクっとしてロック解除をしていますが、この問題はより重さのある「Xperia XZ2」のほうが顕著ですね。
「Xperia XZ2 Compact」のほうが軽くてコンパクトな為か、「Xperia XZ2」ほどの使いづらさではありませんでした。
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ただし、「Xperia XZ2 Compact」のほうがマシなだけで、けして使いやすいわけではないので注意して下さい。
イヤホンジャックの廃止
「Xperia XZ2/XZ2 Compact」は、Xperiaシリーズでは初めてとなるイヤホンジャック非搭載モデルとなりました。
同梱されている「USB Type C-イヤホンジャック変換アダプタ」を使用すれば従来と同じようにイヤホンジャックを使用する事もできますが、変換アダプタは固く、またポケットなどに入れた際の見た目も良くないので、イヤホンを使用するほとんどの人は Bluetoothイヤホン か USB Type Cのイヤホン を別途購入する事になると思います。
ユーザーを不便にしておきながら、必要だったら別途購入してね!という姿勢はあまりにも不親切ではないでしょうか。
ソニーモバイルの商品企画を担当した染谷氏はネットのインタビューで「設計やデザインの自由度が上がるというメリットを考慮して判断した」と答えていましたが、今回のデザインを採用する為のイヤホンジャック廃止ではユーザーを納得させる事はできないでしょう。
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ちなみに、同時期に発売された2018年夏モデルの他機種はどう対応しているかというと、同じイヤホンジャックを非搭載にした「HUAWEI P20 Pro」では
- USB Type C ハイレゾ対応マイク付イヤホン
- USB Type C-イヤホンジャック変換アダプタ
- クリアケース
が同梱され、同じ2018年の夏モデルである「Galaxy S9/S9+」では、イヤホンジャックを搭載しているにも関わらず専用のイヤホンとクリアケースが同梱されました。
また、先行してイヤホンジャックを非搭載にしたiPhoneには専用のイヤホンと充電器が同梱されているのは有名ですよね。
変換アダプタしか同梱しない「Xperia XZ2/XZ2 Compact」は、デザインや性能の前に、基本的な「購入するユーザーへの配慮」の時点で、他メーカーから大きく差をつけられているんだなあと感じてしまいました。
分厚く重くなった本体サイズ
機種名 | 高さ×幅×厚さ | 重量 |
Xperia XZ1 | 148×73×7.4(mm) | 156g |
Xperia XZ2 | 153x72x11.1(mm) | 198g |
Xperia XZ1 Compact | 129×65×9.3(mm) | 143g |
Xperia XZ2 Compact | 135x65x12.1(mm) | 168g |
新しくなったデザインがすっごく評判が悪いなか、トドメとなったのが重さと厚さです。
「Xperia XZ2」では前作から厚さが3.7mm厚く、重量は42g重くなり、「Xperia XZ2 Compact」では前作から厚さが2.8mm厚く、重量は25g重くなっています。
同サイズの他機種と比べても圧倒的に重く厚い本体サイズですよね。
ここまでデザインが変更されながら、中身は前作からあまり進化していなかった事から、「Xperia XZ2」の発売2週目に「Xperia XZ1」のほうが売れるという逆転現象が起こったのだと思われます。
市場は、
「Xperia XZ2」を買うくらいなら、安くなった「Xperia XZ1」を買う
と判断したわけですね。
「Xperia XZ2」も「Xperia XZ2 Compact」も性能は優秀なので、デザイン面でのデメリットを考慮した上で購入する分には快適に使用できると思います。
購入を検討する場合には、店頭で1度手にとって確認したほうが安心ですね。