韓国メーカーのサムスンは、2018年の夏モデルとして、
- Galaxy S9
- Galaxy S9+
の2機種を発表しました。
今回は「Galaxy S9」を実際に購入して、カメラの性能や使用してみた感想などを徹底レビューしているので、購入を検討している人はぜひ参考にしてみて下さい。
「Galaxy S9」のカラーバリエーション
「Galaxy S9」のカラーバリエーションは3色で、
- チタニアムグレー
- ミッドナイトブラック
- ライラックパープル
です。
チタニアムグレー
ミッドナイトブラック
ライラックパープル
「Galaxy S9」のスペックの評価
Galaxy S9のスペック詳細 | |
CPU | Snapdragon 845 |
外側カメラ | 約1,220万画素 |
内側カメラ | 約800万画素 |
ディスプレイ | 約5.8インチ |
Quad HD+(2,960×1,440) | |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
SDカード | microSDXC(最大400GB) |
電池容量 | 3,000mAh |
連続通話(LTE) | ドコモ 約1,170分/au 約1,710分 |
連続待受(LTE) | ドコモ 約390時間/au 約400時間 |
高さ×幅×厚さ | 約148x69x8.5(mm) |
重量 | 約161g |
CPUが「Snapdragon 845」でRAMが4GBという事で処理能力はandroidスマホの中では最高レベル。
アウトカメラはシングルカメラなものの、デュアル口径レンズとなっていて、F値1.5とF値2.4の2つのレンズを搭載し、環境に合わせて自動的にレンズを切り替えて光の取り込みを調整する最新型のカメラを採用しています。
その他にも、「スーパースローモーション撮影」や「AR絵文字スタンプ」など、様々な新機能を搭載していて、特に世界的に有名な音楽機器メーカーのAKGがチューニングを担当したステレオスピーカーの評判が良く、「ドルビーアトモス」対応で臨場感のあるサウンドが楽しむ事ができます。
また、ドコモ版とau版でスペックに違いはないものの、使用する電波の違いにより、電池持ちに多少の違いがあります。
Galaxy S9の機能&サービス
テザリング | 〇 |
おサイフケータイ | 〇 |
ワンセグ:フルセグ | 〇:〇 |
赤外線通信 | × |
ハイレゾ | 〇 |
ワイヤレス充電 | 〇 |
イヤホンジャック | 〇 |
Bluetooth | Bluetooth5.0 |
防水:防塵 | IPX5/IPX8:IP6X |
生体認証 | 指紋認証センサー 顔認証センサー 虹彩認証センサー |
機能面では、赤外線通信を除いたほぼ全ての機能が使用できる「全部入り」となっていて、ハイスペック機では唯一、ワイヤレス充電とイヤホンジャックの両方に対応した機種となっています。
「Galaxy S9」のカメラ性能レビュー
Galaxy S9のカメラスペック詳細 | ||
カメラ画素数 | 外側カメラ:約1,220万画素 内側カメラ:約800万画素 |
|
F値 | 外側カメラ:1.5/2.4 内側カメラ:1.7 |
|
オートフォーカス機能 | 静止画:○ 動画:○ |
|
ズーム(最大) ※外側カメラのみ |
静止画:デジタル×光学8倍 動画:デジタル8倍 |
|
ISO感度(最大) | 静止画:ISO2500 動画:ISO2500 |
|
手ブレ補正機能 | 外側カメラ | 静止画:光学式/電子式 動画:光学式/電子式 |
内側カメラ | 静止画:× 動画:電子式 |
デュアルアパチャー
「Galaxy S9」のアウトカメラにはF値1.5とF値2.4の2つのレンズが搭載されていて、環境に合わせて自動的にレンズを切り替えて綺麗な写真が撮影できるようになっています。
撮影モードは、
- 自動
- 選択フォーカス
- パノラマ
- スーパースローモーション
- ハイパーラプス
- 食事
- AR絵文字
- プロ
の8つのモードからスワイプで簡単に切り替える事ができ、プロモードではF値やISO感度、ホワイトバランスなどを手動で調整して、より自分好みの設定で撮影する事も可能です。
明るい場所での撮影
昼間の撮影ではかなり綺麗な写真が撮れました。
光量が多い明るい場所での撮影は、カメラが最も得意な環境なので画質の違いは出づらいですが、撮影スピードもサクサクで快適に撮影する事ができます。
暗い場所での撮影
「Galaxy S9」のアウトカメラでは、ISO感度を最大で2,500まで上げる事ができ、暗い場所での撮影でも綺麗な写真が撮れるように設計されています。
上の写真は「自動モード」での撮影ですが、昼間の写真に比べれば多少のザラつきはあるものの、かなり綺麗に撮影できると感じました。
ISO感度の最大値は2018年夏モデルの中ではそこまで高いほうではありませんが、夜の撮影に強いという印象ですね。
ズーム撮影
※クリックで拡大できます
「Galaxy S9」のアウトカメラでは、最大で8倍までのズーム撮影が行えます。
撮影している印象だと、2倍程度までであればほぼ画質の劣化はなしで撮影ができますが、デジタルズームなので8倍までいってしまうと画質の粗さが目立ちますね。
綺麗な写真を意識するなら、ズームは2倍程度に抑えるのがおすすめです。
選択フォーカス
「選択フォーカス」は被写体を選択して背景をぼかす事で、より被写体を強調させた写真が撮影できるモード。
さらに、「選択フォーカス」で撮影した写真は後からでも、
- 手前の被写体にピントを合わせる「短焦点」
- 奥の被写体にピントを合わせる「長焦点」
- 全体的にピントを合わせる「パンフォーカス」
から選んで保存する事もできます。
ただし、実際に撮影してみた感じだと背景をぼかす精度がかなり低く、合成っぽい写真になりがちでした。
シングルカメラでは精度に限界があるので、綺麗な「背景ボケ撮影」が撮りたい場合は「Galaxy S9+」のほうがおすすめです。
食事モード
※クリックで拡大できます
「食事モード」は主に料理などを撮影する際に、より美味しそうに見えるようにカラーバランスが調整されたモード。
せっかくなので、同じ料理を「自動モード」と「食事モード」で撮り比べてみましたが、「食事モード」のほうが鮮やかなカラーバランスになっているのがわかりますよね。
私は、黄色系のカラーバランスが濃すぎる感じがしてあまり使っていないんですけど、赤系のカラーが多いデザートなんかは鮮やかで美味しそうに撮れているのが確認できると思います。
動画撮影と手ぶれ補正
「Galaxy S9」の動画撮影はHDから4Kまで様々な解像度で撮影ができ、フレームレート60fpsは4KとフルHDで選ぶ事ができます。
ただし、最高画質の4K60fpsの撮影時間は5分までで、手振れ補正にも対応していない為、使う事はほとんどなさそう・・・。
試しに手持ちで撮影してみましたが、手振れ補正が機能していないとやっぱりガタガタになっちゃいますね。
手振れ補正自体はかなり優秀なので、フルHD60fpsくらいが動きもなめらかで容量的にも使いやすいと感じました。
スーパースローモーション
「Galaxy S9」では、HD 960fpsのスローモーション動画を撮影する事ができ、「逆再生」や「繰り返し再生」が使えるだけでなく、その場ですぐにGIFアニメに変換してSNSなどに投稿する事ができます。
最大画質はHDなものの、手動と自動の両方で撮影する事ができるので、素人でも滑らかで本格的なスローモーション動画が撮影できますよ!
AR絵文字
「AR絵文字」は自撮りする事で自分そっくりの3Dアバターやディズニーキャラクター、動物の3Dアバターが作成できる機能。
自分に合わせてアバターも動くので、動作や音声を保存してLINEやツイッターなどのSNSで使用する事ができます。特に、自分のアバターを作成する「マイ絵文字」が楽しくて、作成と同時に18種類のスタンプも登録され自由に使用できるのが良いですね。
約800万画素のインカメラ
「Galaxy S9」では、約800万画素のインカメラでも、
- 自分撮り
- 背景をぼかす「自分撮りフォーカス」
- ARで装飾できる「AR絵文字」
- 背景を広く撮影する「ワイド自分撮り」
の4つのモードを選ぶ事ができ、「自分撮りフォーカス」では撮影時に「血色」と「肌のトーン」を8段階で調整する事もできます。
画質はかなり良くて、好みの設定にできるのが使いやすいですね。
古い機種を使っていた人は「Galaxy S9」にするだけで、自撮り撮影時にアプリが必要なくなるかもしれませんよー。
「Galaxy S9」の特徴と使用レビュー
インフィニティ ディスプレイ
「Galaxy S9」のディスプレイには、アスペクト比18.5:9のWQHD+「インフィニティ ディスプレイ」が搭載されています。
素材には有機ELが採用され、色鮮やかで高繊細な映像を楽しめるのが特徴ですね。
ただし、「インフィニティ ディスプレイ」にはエッジ部分があり、画面両端の文字がほんの少しだけ斜めに見えます。使っていればすぐに慣れますが、初めてエッジ部分があるディスプレイを見る人は違和感があるかもしれませんね。
改良された背面デザイン
※クリックで拡大できます
「Galaxy S9」では、前作の「Galaxy S8」で使いづらいと評判だった指紋認証センサーの位置がカメラ横からカメラ下に移動しています。
この位置でも慣れるまではカメラに触れてしまうので、欲を言えばもうちょっとだけカメラを上にしてほしかったところですが、不便というほどではないので比較的快適に使用できています。
重さは約161gと軽量なので、女性でも片手でラクラク操作できるところが良いですね。
bixbyキーはいらない
前作の「Galaxy S8」でもあれだけ邪魔と言われていた「bixbyキー」は「Galaxy S9」でも採用され、さらに「Galaxy S8」では押してしまっても起動しないようにできた設定もなくなっています。
bixbyキーは「Bixby Home」という「Google Now」のサムスンバージョンのようなwebサイトを起動する物理ボタンなんですが、意図せず押してしまって「ああっ」ってなります。それも頻繁に!
「Galaxy S9」を使用していて唯一の不満点なので、次作では消えている事を願うばかりです・・・。
選べる生体認証
「Galaxy S9」では通常のロック画面解除用に、
- スワイプ
- パターン
- PIN
- パスワード
の4つの方法から一つを選ぶ事ができ、さらに、
- 顔認証
- 虹彩認証
- 指紋認証
の3つの生体認証を組み合わせて使用する事ができます。
顔認証と虹彩認証のどちらか早く認証したほうが採用される「インテリジェントスキャン」を使えば、3つ全ての生体認証を使用可能状態にしておく事もできるので超便利!
手に取った瞬間にどれかの生体認証がロック解除をしてくれているので、ロックをかけていないような感覚で操作する事ができますよ~。
ドルビーアトモス対応ステレオスピーカー
詳細ページはこちら「Galaxy S9」に搭載されたステレオスピーカーは、オーストリアの音響機器メーカー「AKG」がチューニングを担当し、前作「Galaxy S8」から約1.4倍も音量がアップしています。
特に、映画館でも採用されるサウンドシステム「ドルビーアトモス」が優秀で、立体的なサウンドが楽しめるのが良いですね。
動画は「Galaxy S9」と「Xperia XZ2」の音量を最大にして比較したものですが、「Galaxy S9」のほうが少しだけ音量が大きく、音割れもなく音質も良い事が確認できると思います。
ワイヤレス充電
「Galaxy S9」は、ワイヤレス充電と急速充電の両方に対応。
置くだけで充電ができて、一般的なケースカバーであれば付けたままでも充電できるのでかなり便利です。ワイヤレス充電器は安いものなら2,000円以下で amazon で購入できるのでおすすめですよ。
ただし、急速充電で充電したい場合には専用の充電器が必要になるので注意。
電源系の事は難しくてよくわからないという人は、Galaxyの純正ワイヤレス充電器「wireless charger stand」がおすすめです。
「Galaxy S9」の不具合情報
「Galaxy S9」で勝手に写真が送信される不具合が発生
現在、サムスンの最新スマートフォン「Galaxy S9」や「Galaxy Note 8」で持ち主の意思に関係なく勝手に端末内に保存された写真が送信されるという不具合が発生しています。
報告では、無作為に複数人に写真を送っているものもあれば、ギャラリー内の全ての写真を1人に送ってしまっているケースもあり、現在でも原因はわかっていません。
サムスンの純正メッセージアプリを使用する習慣のない日本ではまったく発生していない不具合ですが、心配な人は正式に対応されるまで「Galaxy S9」の購入は控えたほうが良いかもしれませんね。
「Galaxy S9」のベンチマークスコアと発熱テスト
これは、実際に計測した「Galaxy S9」のベンチマークスコアですが、
- Antutu 7.0.7:263,186
- Geekbench 4:シングル 2,366/マルチ 8,848
となっています。
処理能力は前作の「Snapdragon 845」から1.3倍程度になっていて、現在発表されているandroidスマホの中では最高レベルの処理能力となります。
CPUパフォーマンスとバッテリー温度
※クリックで拡大できます
これは、「Galaxy S9」に大きな負荷をかけ続けてパフォーマンスの安定性を計測する「ストレステスト」を行った際のCPUパフォーマンスとバッテリー温度をグラフ化したもの。
CPUパフォーマンスは100%から50%の間で15分間同じように推移していて、それに伴いバッテリー温度も上昇し続けていますね。
2回目のテストでは本体が39度くらいの熱を持った状態からスタートしましたが、最高でも44度となり、それ以上温度が上がる気配はありませんでした。
15分間のテストでは44度以上バッテリー温度が上がる事はなく、CPUのパフォーマンスも常に一定な事から、「Galaxy S9」の温度管理はかなり優秀だと思います。
ゲームアプリで動作テスト
最後に動作テストとして、最新3Dゲームで有名な「PUBGモバイル」の最高画質設定でプレイしてみました。
グラフィック設定は、
- クオリティ:HDR
- フレーム設定:ウルトラ
- アンチエイリアス:有効
- グラフィックの自動調整:無効
です。
さすがに思いっきり画面を左右に振れば一瞬カクつく事があるものの、普通にプレイする分には最高画質設定でも快適に操作する事ができました。
ただし、負荷が大きい為バッテリー温度は常に40度前後になるので注意して下さいね。
「Galaxy S9」の付属品
※クリックで拡大できます
「Galaxy S9」には、
- TVアンテナケーブル
- AKG マイク付きイヤホン
- Micro USBケーブル
- USB変換アダプタ
- 純正クリアケース
が同梱されています。
特に、純正クリアケースはよくできていて、「Galaxy S9」の本体にピッタリで薄型になっているのがいいですね。
ただし、「Galaxy S9」の本体を充電するのに必要な「USB Type C ACアダプタ」は同梱されていないので、持っていない人は購入する必要があるので注意して下さい。
「Galaxy S9」の発売日と価格
ドコモ版「Galaxy S9 SC-02K」の本体価格
新規契約 / 乗り換え / 機種変更 | |
本体価格 | 99,792円 (3,942円×24) |
月々サポート | -89,424円 |
実質負担金 | 10,368円 (432円×24) |
「Galaxy S9 SC-02K」の本体価格は99,792円(税込)。
実際に支払う金額はここから「月々サポート」という割引きを引いた「実質負担金」になります。
ただし、ドコモ公式オンラインショップ の5,184円割引はすでに価格に反映されているので注意して下さい。
au版「Galaxy S9 SCV38」の本体価格
新規/機種変更/乗り換え(MNP) | |
本体価格 | 95,040円 (3,960円×24) |
毎月割 | -39,744円 (-1,656円×24) |
実質負担金 | 55,296円 (2,304円×24) |
※上記の価格は2018年5月現在の金額です。時期によって本体価格と割引金額は変動するので注意して下さい。
au版「Galaxy S9 SCV38」の発売日は2018年5月18日で、本体価格は95,040円(税込)。
購入する場合には「毎月割」という割引が適用され、ユーザーが実際に支払う金額は「毎月割」を引いた「実質負担金」となります。
また、新料金プラン「ピタットプラン/フラットプラン」で申し込む場合は、「毎月割」が発生しないかわりに アップグレードプログラムEXに加入する事ができ、最大で半額の本体価格になります。
「Galaxy S9」の評価と感想
「Galaxy S9」は、スマホの世界シェア1位のSamsung(サムスン)が製造する2018年のフラッグシップモデル。
上位モデル「Galaxy S9+」からカメラ性能を少しだけ落とし、コンパクトなサイズになった事により、「Galaxy S9+」よりも本体価格が安くなっているのが特徴です。
カメラ性能が落ちていると言ってもズーム撮影と「ボケ効果撮影」に関してだけなので、この2つを重要視しないのであれば価格が安くて持ちやすいサイズの「Galaxy S9」のほうがおすすめ。
使っていて不満点は「bixbyキー」だけなので、価格に見合った超ハイスペックスマホを体験できると思います。
ゲームもサクサクプレイでき、迫力のあるスピーカーも楽しめるので、比較的コンパクトなハイエンド機がほしい人に最適です。